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徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応

第1回:カーネル
著者:クロノス  中島 能和
編者:ソキウス・ジャパン   2005/11/30
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: E

   古いカーネルバージョンのコンフィギュレーションファイルの設定を新しい.configファイルにインポートするには、make oldconfigコマンドを実行します。したがって、Eが正解です。make oldconfigコマンドは、カーネルコンパイルを行うときに必ずしも必要となるわけではありません。

   カーネルコンパイルの一般的な手順は次のとおりです。

カーネルコンパイルの実行手順
# make mrproper        ←カーネル設定の初期化
# make menuconfig      ←カーネルコンフィギュレーション
# make dep             ←依存関係の確認
# make clean           ←中間ファイルの削除
# make bzImage         ←カーネルイメージの作成(カーネルコンパイル)
# make modules         ←モジュールの作成(モジュールコンパイル)
# make modules_install ←モジュールのインストール
A. importというコマンドはありません。
B. makeには通常、reconfigというターゲットはありません。
C. make mrproperは、カーネル設定を初期化するコマンドです。
D. patchは、パッチを適用するコマンドです。
第2問の解答: D

   modprobeは、依存関係を考慮しながらモジュールをロード/アンロードするコマンドです。modprobeコマンドは、/lib/modules/<カーネルバージョン>ディレクトリにあるmodules.depファイルに記述されているモジュールの依存関係情報を参照します。この情報がmodules.depファイルに記述されていないと、modprobeコマンドは依存関係の処理に失敗してしまいます。modules.depファイルは、depmod -aコマンドによって再構築することができます。depmod -aコマンドは通常、システム起動時に自動的に実行されますが、モジュールを新規にインストールしてすぐに利用したい場合は手動で実行する必要があります。したがって、Dが正解です。

A. /etcディレクトリにmodules.depファイルはありません。
B. モジュールを追加しても、/usr/src/linux/.configファイルを変更する必要はありません。
C. ldconfigは、新たに追加する共有ライブラリを認識させるため、/etc/ld.so.cacheファイルを更新するコマンドです。
第3問の解答: modinfo

   指定したカーネルモジュールに関する情報を表示するには、modinfoコマンドを使用します。modinfoコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。< >内は必須
modinfo [オプション] <モジュール名>



-a ……モジュールの作者を表示
-d ……モジュールの説明を表示
-n ……モジュールのファイルを表示
-p ……モジュールがサポートしているパラメータを表示
第4問の解答: mkinitrd

   初期RAMディスクとは、起動時に必要なドライバなどを組み込んだ暫定的なルートファイルシステムのイメージファイルです。たとえば、ルートファイルシステムがSCSIハードディスク上にある場合、SCSIドライバが組み込まれるまではルートファイルシステムをマウントできません。そこで、SCSIサポートを組み込んだカーネルを使ってRAMディスクイメージを作成しておき、これをメモリ上に展開し、起動したあと実際のルートファイルシステムをマウントしなおすという起動プロセスを取ることができます。初期RAMディスクを作成するには、mkinitrdコマンドを使用します。mkinitrdコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。< >内は必須
mkinitrd [オプション] <RAMディスクのイメージファイル> <カーネルバージョン>
カーネル2.4.22用の初期RAMディスクとしてinitrd -2.4.22.imgを作成する
# mkinitrd /boot/initrd-2.4.22.img 2.4.22
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書籍紹介
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応 本書は、LPI認定試験レベル2の合格を目指す方を対象とした問題集です。LinuxとLPI認定資格の研究を長年続けてきた著者が、受験者が試験範囲を効率よく学習を進めることができ、かつ確実に実力が付くことを第一に考え、執筆しています。試験範囲の「201試験(Linux応用管理)」と「202試験(Linuxネットワーク管理)」について300問以上の問題を収録し、実際の試験に近い形式で網羅しているので、問題を解くごとに合格レベルの実力が身に付きます。解説を読めば、Linuxとネットワークに関する知識や、用語と重要項目の理解度もますます深まります! Linuxエンジニアを目指す、すべての方におすすめです。
発売日:2003.09.30発売
販売価格:3,150円 (税込)
株式会社クロノス 中島 能和
著者プロフィール
株式会社クロノス  中島 能和
株式会社クロノス常務取締役。LPI認定試験対策メールマガジンの発行や各種セミナーを通じて、LPI認定試験の啓蒙活動を行っている。


株式会社ソキウス・ジャパン
編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


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第1回:カーネル
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