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| Linux／OSSの導入実態と今後の展望 |
第４回：Linuxサーバの市場動向
著者：矢野経済研究所 入谷 光浩 2005/5/11
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| Linuxサーバのシェア
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Windows、UNIX、Linuxを含む全サーバ市場の出荷台数シェアについては様々な調査結果が出ているのでご存知の方も多いと思う。矢野経済研究所調べ（2004年）では、NECがトップ、2番手にデルが着け、3番手以降に日本HP、富士通と続いている。ただしLinux搭載サーバにおいてはこの順位は成立していない。各社の力の入れ具合が数値となって出てきている。
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| Linux先行型の日本IBMがトップ
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2004年のLinux搭載サーバ出荷台数のベンダー別シェアを図2に示す。
2004年のLinuxサーバ出荷台数のシェアは24.4%で日本IBMがトップを獲得。これは2003年に引き続いてトップを維持していることになる。日本IBMは他社に先駆けて早くからLinux事業強化戦略を打ち出し、「LinuxならIBM」というイメージがユーザにおいて定着していることが強みである。さらにSolarisなど他社製のエッジ系UNIXサーバからのリプレースを狙った販売戦略を積極的に展開したことも出荷台数に大きく影響している。また、中堅・中小企業へのLinux販売の強化を狙いRed Hat Enterprise LinuxをxSeriesの中・下位モデルにプレインストールしたモデルの出荷を2004年から開始し、この出荷状況も好調である。
図2：Linux搭載サーバのベンダー別出荷台数シェア（2004年）
Linuxサーバで2位に着けたのはIAサーバ全体においてトップを走っているNEC。もともとIAサーバ出荷台数の母数が大きいということもあるが、2003年11月にLinux推進センターを設立しLinuxサーバの拡販を行っている。1wayのIAサーバ「Gモデル」にRed Hat Enterprise Linuxをプレインストールしたモデルの出荷も好調である。
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| 出遅れた日本HPが上位陣を猛追
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2002年のコンパックとの大合併で明確なLinux事業戦略をなかなか打ち出すことができなかった日本HPだが、2003年のシェア5位から2004年には14.4%の4位、2005年には2.2ポイントアップの16.6%を獲得し3位に躍進することが予測される（図3）。
2004年からようやく具体的なLinux戦略を打ち出すことができ、5月からは24時間対応も可能な自社のテクニカルサポートサービスを添付したIAサーバProLiant用のRed Hat Enterprise Linuxの販売を開始して以降、急速に販売台数を伸ばしている。また、ダイレクト販売のCTOメニューにもプレインストールモデルを用意しボリューム領域での拡販を狙っている。IAサーバ全体でも好調な出荷を続けている日本HPは、Linuxサーバでもそれ以上に高い伸びを示していくことが期待される。
図3：Linux搭載サーバのベンダー別出荷台数シェア（2005年予測）
デルはIAサーバ市場で首位のNECと激しい競争を繰り広げているが、Linux搭載台数では下位に甘んじている。これまでデルは、Windowsの顔をうかがうような格好でLinuxに対する販売戦略を打ち出せずにいた。しかし、IAサーバしかラインナップを持たないデルがUNIXサーバやメインフレームに対抗しながらハイエンド領域に進出するためにはLinuxが必要不可欠になっている。
そこで2004年からはLinuxディストリビューションベンダーのレッドハットやノベル、Linux推進を全面に打ち出している大手ISVのオラクルとパートナー関係を強化しLinuxの販売推進を強めている。IAサーバで大きなシェアを持つデルだけに、2005年以降のLinux搭載サーバの高い成長が予想される。
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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux／オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」
本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux／オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。
 ご購入はコチラ
http://www.yano.co.jp/mrnew/2005/01/C46112400.html
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。
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