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作って学ぶXMLデータベースNeoCore XMS実践
第2回:半定型文書を扱うシステムを設計する
著者:
ウルシステムズ 小松 要
2006/3/17
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前回では
前回でXMLデータベースに適しているシステムには、半定型文書を扱うシステムがあることを説明しました。半定型文書というのは、全体的には自由に編集できる非定型の文書ですが、一部に自動処理の対象となる共通の構造を持つような文書のことです(図1)。
図1:半定型文書
そして、営業支援のためのシステムとして、半定型文書である提案書を扱うシステムの企画を行いました。
第2回目では、企画したシステムを実現するために、提案書を表現するXMLをどのように扱い、どのような構成のシステムにするかを検討します。
システム概要の設計
まずはユースケースを検討し、必要になる機能要件と半定型文書である提案書に求められる構造要件をまとめます。
必要な機能を洗い出す
最初にユースケースを検討し、営業支援システムに求められる機能の洗い出しを行います。ここでの作業は、RDBを使った通常のシステム開発の場合とかわりません。今回のシステムの主要なユースケースは以下のようになります。
担当営業は、システムに提案書を登録する
担当営業および営業マネージャーは、システムに登録されている提案書の概要を一覧表示する。一覧表示する項目は、提案日、お客様名、営業拠点、機種、見積もり金額など
担当営業は、システムに登録されている提案書を検索し、その内容を取得する。取得した提案書にお客様名などの機密情報は表示されない
表1:今回の主要なユースケース
表1のユースケースを実現するために必要な機能を洗い出します。ここでは、図2に示すように提案書登録、提案状況一覧、提案書検索の3つの機能を用意することにします。
図2:営業支援システム概要図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
提案書登録機能
利用者のPCから提案書をアップロードする機能
提案書のデータをXMLデータベースに格納する機能
提案状況一覧機能
一覧する条件を入力する機能
入力された一覧条件に合致する提案の概要情報を一覧表示する機能
提案書検索機能
参照したい提案書を検索する条件を入力する機能
入力された検索条件に合致した提案書を一覧表示する機能
検索結果の一覧から指定された提案書をダウンロードする機能
表2:営業支援システム概要図
半定型文書としての提案書の設計
続いて提案書をどう扱うかについて検討します。
今回のシステムでは、提案書を半定型文書として扱いますので、全体的に非定型ですが、定型の部分が含まれます。それぞれについて設計していきましょう。
この会社では提案書作成のためのツールとして、一般的なプレゼンテーションツールを使用しているものとします。担当営業は、このプレゼンテーションツールを使用して自由に提案書を作成することができます。デザインも内容も顧客にあわせて作成することができるので、非定型文書ということができます。
次に定型の部分を検討します。提案書を自由に作ることができるといっても、提案することが目的ですから内容には共通の項目があります。例えば次のような項目です。
お客様名
提案タイトル
提案日
営業拠点
担当営業名
提案機種
見積もり金額
表3:提案書に必要な項目例
これらの項目が提案書の定型部分として自動処理できるようになれば、全体的には自由に編集できる非定型文書でありながら、部分的に定型である半定型文書として扱えるようになります。
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社
小松 要
ビジネスとITのギャップを埋めるITコンサルティングを行うコンサルタント。お客様の現場に対してIT活用の最適解を常に提供するコンサルタントを目指し日々奮闘中。現在は、もっぱらXMLDBの可能性を模索中。
INDEX
第2回:半定型文書を扱うシステムを設計する
前回では
システムの実現イメージ
XMLデータ構造の設計