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作って学ぶXMLデータベースNeoCore XMS実践 |
第6回:PICLS〜XMLデータベースを用いた販促ツール作成支援
著者:ウルシステムズ 最上 隆史、林 浩一 2006/5/22
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XMLデータベースを販促ツール作成作業へ適用
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XMLデータベースを有効活用する場面として、本連載では定型作業ではない創造的な業務を支援する半定型文書の処理を取り上げ、具体的に仮想的な営業支援を想定し、その支援のためのサンプルプログラムを作成してきました。
最終回となる今回はXMLデータベースを適用した実際の事例として、販促支援のためのシステム「PICLS」を紹介します。このシステムは、インターネット上で商品情報やイメージなどを一元管理し、その情報を使ってチラシ、カタログ、パンフレット、Webサイトなどの販促ツールを作成するための作業環境を提供するシステムです。
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販促物ツールの作成は非定型の共同作業
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販促ツールはサービスや商品の情報を効果的に顧客に伝えることで販売促進を行うためのもので、チラシ、カタログ、パンフレット、ホームページなどがあります。これらは商品についての概要や仕様、商品自体のイメージ画像に加え、商品の魅力を伝えるキャッチコピー、使い方の説明、商品の利用シーンのイメージ画像などの様々な素材を、販促コンセプトに合わせたデザイン上に統合化して作られます。
この作業は、コピーライター、カメラマン、デザイナーなど多くのスタッフが関わります。商品コンセプトやキャンペーンが変わることによって、作業内容もそれぞれで変わるので、非定型の共同作業といえます。
こうした非定型の協同作業は、無駄な作業が多く非効率になりやすいという問題があります。例えば表1にあげるような、あらかじめ想定できないできごとによって、作業の無駄、待ち、手戻りが頻繁に発生しています。
- 完成直前まで価格が決まらない
- 販促コンセプトやイメージが突然変更になる
- 販売地域に応じた異なるバージョンが必要になる
- それまで使っていたイメージが使えなくなる
表1:あらかじめ想定できないこと
このように販促ツールの作成は非定型の共同作業ですが、その中に定型化してシステムによる支援ができる部分を見つけ出すことができれば、業務の効率を高めることができます。このために開発されたシステムが「PICLS」です。
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PICLSが支援する販促ツール作成の定型部分
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PICLSは販促ツール作成の業務のうち、素材集めから印刷・組版直前までの工程を支援します。システムによる支援対象となる定型部分は次の2つになります。
- デザインテンプレートの利用
- チラシなどの場合、地域や季節によって内容は少しずつ変わってもデザインは共通に利用することができます。デザインをテンプレート化することができれば、それに埋め込む素材を指定することによって、販促ツールを簡単に作ることができます。
- 共同作業の場の提供
- 販促物の作成作業自体、大きな流れは定型(素材集め・デザイン決定・構成・組版)であり、これらが複数のスタッフで実行されています。インターネットを使ってこの作業状況を共有しながら進めることのできる環境があれば、共同作業を効率化することができます。
表2:システムの支援対象となる定型部分
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社 最上 隆史
シニアコンサルタント
独立系ソフトウエアハウスで7年のシステム構築を経験。2005年より現職にて基幹システムの構築およびコンサルティングに従事。最近はRDBMSとXMLDBの利用価値に関心を持つ。
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社 林 浩一
アジャイル開発手法やXML技術を駆使して、ビジネスとITのギャップを埋めるITコンサルティングを行う部門を率いるディレクター。お客様のビジネスを本当に支援できる先端技術の活用を目指して、理論と実践の両面からアプローチしている。
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