インストールとNICの設定

2006年3月24日(金)
古賀 政純

サーバへRHEL4のインストール

今回は、サーバにRed Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)をインストールする際の注意点を解説します。RHEL4をインストールするにはいくつかの方法があります。

CD-ROMやDVD-ROMが読み取れる光学ドライブを搭載しているサーバでは、光学ドライブにRHELのCD-ROMを挿入して電源を投入しま す。電源を入れてCD-ROMからブートさせると、RHELのインストーラが起動しますので、インストーラの指示に従ってインストールを行います。

今回解説するのは、このインストール手順をまとめたものです。

RHEL4インストール手順

RHEL4の一般的なインストール手順は以下のとおりです。

  1. 電源投入
  2. ハードウェア設定(BIOS、Fibre Channel、RAIDコントローラなど)
  3. 光学ドライブへCD-ROMを挿入し、CD-ROMからブートさせる
  4. インストーラで使用する言語の選択
  5. インストーラで使用するキーボード、マウスの選択
  6. ディスクパーティションの設定
  7. ブートローダの設定
  8. ネットワークの設定
  9. ファイアウォール設定
  10. パッケージ選択
表1:RHELのインストール手順

表1にあげた手順の中でも、特にサーバにおけるRHELの設定で重要なものを取り上げます。

ハードウェア設定

RHEL4のインストーラを起動する前に、ハードウェアの設定が必要です。サーバ用途におけるハードウェア設定では、BIOSでHyper Threading(注1)のON/OFFや時刻などを正しく設定する必要があります。Linuxシステムの場合、緊急用の管理としてシリアルケーブルを 使った接続を行う場合もありますので、シリアルポートの設定も行います。

注1:Hyper Threading
1つのプロセッサが2つのバスを持ち、OS側には2つのプロセッサを持つようにみせ、仮想的なマルチスレッドを実現する機能。Intel社のPentium4やXeonプロセッサに搭載されている。

ブート順序については、CD-ROMからブートができるかどうかを確認するだけでなく、NIC(Network Interface Card)のPXEを使ったブートについても適切に設定しておきます。

DHCPサーバやPXEサーバがシステムに含まれる場合、インストール対象のサーバのブート順序がPXEを使ったブートを最優先に設定していると、 リブートした場合にローカルディスクから起動せずにPXEを使ったブートをするとネットワーク経由での再インストールが自動ではじまってしまうなどの障害 を引き起こす場合があります。

従ってインストール前から、システムにあった適切なブートオーダーを設定しておくことが重要です。特にブレードサーバなどのネットワークインストールが必要な環境では細心の注意が必要です。

ブレードサーバのBIOS上でブートデバイス順序を設定
図1:ブレードサーバのBIOS上でブートデバイス順序を設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

大規模サーバやDBサーバ、HAクラスタの多くは、外部ストレージにFiber Channel接続を採用することが一般的です。その際には、Fiber ChannelのSANからのブートを適切に設定する必要があります。

またサーバの多くは、ハードウェアRAID上の論理ドライブにインストールします。そのためハードウェアRAIDの設定は必須です。通常、OSを格 納するディスクはRAID構成を組みますので、この時点でハードウェアRAIDのコントローラの設定で論理ドライブを作成しておきます。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリセールス統括本部 ソリューションセンター OSS・Linux担当 シニアITスペシャリスト

兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師を担当。科学技術計算サーバーのSI経験も持つ。2005年、大手製造業向けLinuxサーバー提案で日本HP社長賞受賞。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師に与えられる「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。日本HPプリセールスMVPを4度受賞。現在は、Linux、FreeBSD、Hadoop等のOSSを駆使したスケールアウト型サーバー基盤のプリセールスSE、技術検証、技術文書執筆を担当。日本HPのオープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリストとして講演活動も行っている。Red Hat Certified Engineer、Red Hat Certified Virtualization Administrator、Novell Certified Linux Professional、EXIN Cloud Computing Foundation Certificate、HP Accredited Systems Engineer Cloud Architect、Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack、Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoop認定技術者。HP公式ブログ執筆者。趣味はレーシングカートとビリヤード

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています