明暗が分かれたITシステム/アプリケーション導入

2006年6月21日(水)
伊嶋 謙二

導入率の上昇が見えない戦略系アプリケーション、問われる必要性

最後にITシステム/アプリケーション導入状況として、主に戦略系アプリケーションを取り上げる。今回取り上げた戦略系アプリケーションは表1の通り。

  • SCM(Supply Chain Management)
  • SFA(Sales Force Automation)
  • CRM(Customer Relationship Management)
  • CTI(Computer Telephony Integration)
表1:戦略系アプリケーション

また戦略系アプリケーションの導入率の経年推移を図3に示す。
 

戦略系アプリケーションの導入率
図3:戦略系アプリケーションの導入率
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


図3からわかるように、これらの戦略系アプリケーションの導入率10%前後で6年間大きな変化がないにもかかわらず、新規導入の検討・関心度合は下降の一途をたどっている。

これは冒頭で述べた通り、中堅・中小企業における「戦略系ソリューション」が浸透していない実態が浮き彫りになっている。この要因については今後の連載の中で触れていく。

次回は

今回紹介したITシステム/アプリケーションの中で、次回は「ERP」について解説する。

「基幹系は単体で導入進む、ERPは3割目前で足踏み」の項で述べたように、その導入率は若干「足踏み」のように見える。しかし実際ベンダー側の販 売攻勢の動きは活発化しており、中堅・中小企業をターゲットにしたマーケット攻略に躍起になっているのが現状だ。その現状を踏まえ詳しいデータをもとに掘 り下げて解説する。

有限会社ノーク・リサーチ

1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどを プラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関す るリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設 立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。
ホームページ:http://www.norkresearch.co.jp/

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