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モデル駆動型開発手法「Software Factories」の全貌 |
第1回:IT産業に革命を起こすSoftware Factories
著者:マイクロソフト 成本正史 2006/8/8
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はじめに
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IT産業を取り巻く環境はここ数年で変化の兆しが見えはじめ、今後数年で大きな変革のうねりを迎えつつある。オープンソースの登場によりソフトウェアの持つ真の競争力が問われ、かつオフショアにより開発組織の競争力が問われる時代となっているのは読者の皆様も周知の事実だ。
つまりIT産業全体が抱えている課題として「競争力の強化」が急務なのである。従来からいわれ続けていることだが、今日では待ったなしの状況であることを再認識する必要があるだろう。そしてSoftware Factoriesはこのような時代背景とともに登場した。
ではどうすれば「競争力の強化」が達成されるのか。答えは簡単だ。国内で一番、さらには世界で一番優れたソフトウェアを作ることである。Software Factoriesをマクロな視点で語るとすれば開発組織の「競争力の強化」を実現するものに他ならない。
そこで、本連載では「競争力の強化」を実現するSoftware Factoriesの概念について説明する。
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現状の開発手法の問題点 |
まずSoftware Factoriesの深い内容に入る前に、現状のソフトウェア開発における問題点を整理しよう。IT産業は何が理由でつまづいているのだろうか。大きく分類すると以下の4つの問題点があげられる。
- マスカスタマイゼーションへの対応が困難
- 問題領域ごとのエキスパート不在により、発注者の元の意図が開発の段階で消滅する
- その場限りの開発に終始し、偶発的な再利用性しか得られない
- 未熟な開発プロセスのためプロジェクトはスケジュールを超過し、十分な品質が得られない
表1:ソフトウェア開発における問題点
ではこれら問題点をどのように解決すればよいのか。その答えを表2に示す。
- 可変的な部分に対する効率的な開発環境を提供
- 問題領域ごとにモデリング環境を提供し、高い抽象度での作業を可能とする
- 計画的な再利用性を提供する
- プロジェクトタイプごとに最適な開発プロセスを提供
表2:問題点の解決方法
そしてこの4つの答えを提供するのがSoftware Factoriesなのである。
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著者プロフィール
マイクロソフト株式会社 成本正史
デベロッパー&プラットフォーム統括本部 戦略企画本部 戦略担当部長
ファクトリーオートメーションの分野でソフト・ハードの開発を担当し、当時日本ではじめてVBAスクリプトの初実装を手がける。1999年にマイクロソフトに入社。COMや.NETに関する開発コンサルティングを行い、現在「アーキテクトエバンジェリスト」として技術面の啓蒙活動中。
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