バックアップの重要性については、いまさら語る必要はないだろう。企業においては、使用するツールやアプローチは異なるとしても、必ずデータバックアップを行っている。しかし、それだけポピュラーなものでありながら、バックアップ作業によって業務が停止したり、バックアップデータのリカバリの際、問題が生じるというのは、よく耳にすることだ。ここでは去る11月2日発表となった「Symantec Backup Exec 11d」が、こうした問題を解決するものとして、どのようなソリューションを提供するものなのかシマンテックの藤盛秀憲氏に話を伺った
— まずSymantec Backup Exec 11dの概要についてお聞かせください。
藤盛氏:一言でいえば「データバックアップおよびリカバリを総合的に行う製品」といえます。弊社ではWindowsプラットフォームにおいてシステム保護、セキュリティ対策、コンプライアンスを実現する複数の製品を提供しておりますが、その中でバックアップ、バックアップデータの保護、リカバリを実現するための製品です。
Symantec Backup Execは多くの企業でお使いいただいておりますが、11月に発表したSymantec Backup Exec 11d(以下、11d)では、これまでお客様から寄せられた要望を反映し、Advanced Disk-Based Backupオプションやクラスタサポートなど、これまでにないほど大幅な機能強化を行っております。
なお、11dではバックアップ機能の充実は当然として、バックアップしたデータの保護やリカバリ機能の充実を重視しています。
— 新たにサポートするプラットフォームは、どのようになっていますか。
藤盛氏:本製品はクライアント/サーバ型の製品であり、サーバ側はx64を含むWindowsです。クライアント側は、Windowsのほか、業務用アプリケーションやアプリケーションサーバとして使用されている環境を対象とするため、オプションとしてUNIX/Linux、Mac OS Xなどもサポートしています。これらは、使用する環境に応じて選択いただけるようになっています(表1)。
プラットフォーム |
備考 |
x64 Windows Media Server |
オプション |
NDMP |
オプション |
Oracle RMAN/RAC |
オプション |
Linux/UNIX |
オプション |
DB2 |
オプション |
Mac OS X |
現時点ではPowerPC版のみ/Intel版もサポート予定 |
表1:サポートプラットフォーム
シマンテックとしては、ビジネスの規模によってターゲットを絞るのではなく、広く活用していただきたいと考えておりますが、製品の性質からいってボリュームゾーンはWindowsを中心にお使いの中小規模および大企業の部門サーバになると考えています。
— 基本機能であるバックアップについての改善点を教えてください。
藤盛氏:現在はビジネススタイルの変化に伴い、以前のように「サーバの負荷が少ないときにバックアップする」といったバッチ処理によるバックアップや、バックアップデータを特定日時の状態に丸ごとリカバリするという方法は現実的ではなくなっています。
バックアップ対象となるデータは、その種類が文書など定型的なものばかりでなく、音声や動画など非定型データが増加し、全体の容量も増大しています。さらに、メールやスケジューラなどコラボレーションツールによるデータが業務の中で非常に重要な役割を担うものとなり、よりバックアップやリカバリの重要性が高まっています。
そこで、システムを停止することなく継続的にバックアップが実行できる製品が求められていると思います。そこで11dではシステムが稼働中でも継続的にバックアップを取得可能しました。
また、バックアップの対象をExchange ServerやSharePointドキュメント、Active Directoryのオブジェクトなどにも拡張しました。さらにOracle RMAN/RAC、DB2など業務アプリケーションとして使われる多くのものに対応しています。
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