4種の統合監視ツールの情報収集機能を比較!
ZABBIX
ZABBIXの検証結果は以下の通りです。
情報収集機能 | リソース監視 | ○ |
---|---|---|
ネットワーク監視 | ○ | |
SNMP監視 | ○ | |
設定方法 | 設定方法 | Webブラウザ |
保存形式 | リレーショナルデータベース | |
設定変更後の再起動 | 不要 | |
プラグインの豊富さ | △ | |
設定の容易さ | ○ | |
監視データ | 保存形式 | リレーショナルデータベース |
リソース監視、ネットワーク監視、SNMP監視に対応します。デフォルトで多くの監視項目を備えています。プラグイン機構は採用しておらず、パラメータの組み合わせや簡単なスクリプト利用することで、どのような監視も行なえるよう柔軟な作りになっています。
リソース監視を行なうためには監視対象サーバ上でZABBIXエージェントと呼ばれる専用エージェントを動作させる必要があります。
監視設定はWebブラウザから行います。ほとんどの設定項目は選択式になっているため、初心者でも容易に利用することができます。また、設定をテン プレートから継承して利用でき、設定をXML形式でインポート/エクスポートすることも可能など、大量の設定も容易に管理することができます(図1)。
収集したデータはリレーショナルデータベース(MySQL/PostgreSQL/Oracle)に保存されます。データは指定した期間保存されるため、後から容易に参照することが可能です。
Hinemos
Hinemosの検証結果は以下の通りです。
情報収集機能 | リソース監視 | ○ |
---|---|---|
ネットワーク監視 | ○ | |
SNMP監視 | ○ | |
設定方法 | 設定方法 | 専用クライアント |
保存形式 | リレーショナルデータベース | |
設定変更後の再起動 | 不要 | |
プラグインの豊富さ | × | |
設定の容易さ | ○ | |
監視データ | 保存形式 | リレーショナルデータベース |
リソース監視、ネットワーク監視、SNMP監視に対応します。デフォルトで多くの監視項目を備えています。しかしながら、プラグイン機構は採用して おらず、監視項目を拡張することはできません。リソース監視を行なうためには監視対象サーバ上でHinemosエージェントと呼ばれる専用エージェントを 動作させる必要があります。
監視設定はHinemosクライアントと呼ばれる専用のクライアントアプリケーションから行ないます。ほとんどの設定項目は選択式になっているため、初心者でも容易に利用することができます。
収集したデータはリレーショナルデータベース(PostgreSQL)に保存されます。データは指定した期間保存されるため、後から容易に参照することが可能です。
第6回:「PostgresForest」を使ったデータベースのクラスタリング
運用管理ツール「Hinemos」完全利用ガイド
第1回:Hinemosができること
情報収集機能比較のまとめ
情報収集機能について各ソフトウェアを比較した結果、デフォルトで収集可能な項目にはそれほど大きな差異はなく、 設計の新旧により設定方法や収集したデータの保存方法に大きな違いがあるという結果になりました。
NagiosとHobbitはテキストエディタで設定を管理するため、設定の管理が煩雑になりがちです。また設定変更後にはサービスの再起動が必要であるため、利用にはLinuxの知識が欠かせません。
データの保存形式としてテキストファイルやRRD Toolsを利用している点は、後からデータを利用することが比較的難しいというデメリットと感じることもあるでしょう。しかしプラグインが豊富に存在す るため拡張の幅が広く、設定の負荷を軽減できるというメリットがあります。
ZABBIXとHinemosはWebブラウザや専用クライアントから選択式で設定を行なうことができ、設定変更後にサービスを再起動する必要がな いことから、利用にはLinuxの知識をそれほど要しません。また、データをリレーショナルデータベースに保存するため、後からデータを参照することが容 易に行なえるというメリットがあります。
なお、ZABBIXはテンプレートの共有/蓄積がまだはじまったばかりなことや、Hinemosはプラグインによって情報収集項目の拡張に対応していないという点は、デメリットに感じる方もいるでしょう。
次回は
今回は監視の基本となる情報収集機能とその設定について比較を行ないました。
次回は収集した情報を基に、データの表示やグラフの作成などを行なう表示機能について比較を行ないます。