Tomcatのサーバ設定
Administaration Toolによるサーバ管理
Tomcatの設定は、設定ファイルであるserver.xmlやtomcat-users.xmlに定義されています。しかし、設定用のXMLファイルを手動で編集するのは手間がかかる上、ミスも多くなります。
Webブラウザ上からTomcatの設定をグラフィカルに変更することができるAdministration Toolを利用することで、作業効率をあげることが可能です。
Administration Toolを利用するには
まずは、本連載で使用しているTomcat 5.5用のAdministaration Toolを入手しましょう。Tomcatのページ(http://tomcat.apache.org/download-55.cgi#5.5.25)から、Administration Web Applicationの圧縮アーカイブをダウンロードして展開してください。
展開してできたapache-tomcat-5.5.25というフォルダの中にあるconfディレクトリの中身を CATALINA_HOME/confに、serverディレクトリの中身をCATALINA_HOME\serverディレクトリに移動してください (CATALINA_HOMEはTomcatインストールディレクトリ)。
では、Administration Tool用のユーザを追加します。CATALINA_HOME/conf/tomcat-users.xmlにAdministration Tool用ユーザを追加することで、アクセス可能になります。今回はWebアプリケーションマネージャの時と同様にユーザ名を「admin」、パスワードを「pass」としました。
1人のユーザに複数のロールを持たせる場合、リスト7のように記述します(追加で記述した部分を白色で示します)。Windowsインストーラを用 いてTomcatをインストールした場合は、インストール途中で設定したユーザ名とパスワードを利用するためtomcat-users.xmlを編集する必要はありません。
リスト7:tomcat-users.xmlの設定例
tomcat-users.xmlの編集が終わったら、Tomcatを起動します。すでに起動している場合は再起動してください。
Webブラウザから「http://localhost:8080/admin」にアクセスするとAdministration Toolログイン画面が表示されます。tomcat-users.xmlで設定したユーザ名とパスワードを入力してログインしてください。 Administration Toolにログインすると図2のような画面が表示されます。
(1)のTomcat Serverセクションからは、Tomcatのserver.xmlに相当する内容の編集が行えます。(2)のリソースセクションからは、Tomcatが 利用するデータベースなど、各種リソースの設定を行えます。(3)のユーザ定義セクションからは、Tomcatのtomcat-users.xmlに相当する内容の編集が行えます。
左側のツリーで選択した要素の設定項目の詳細が右画面(4)に表示されます。図2ではコンテキスト要素の設定項目が表示されています。
管理ツールのセキュリティ
前回紹介したWebアプリケーションマネージャ、そして今回のAdnimistration Toolへのアクセス制限は非常に重要です。セキュリティ上の観点からこれらのアプリケーションを完全に無効にしておくのも1つの選択肢でしょう。
これらのアプリケーションを利用する場合にユーザ認証だけではセキュリティが不安であれば、本記事で解説したリモートアドレスバルブを用いてローカルネットワークの外部からは管理ツールにアクセスできないように設定してください。
次回予告
これまでは、Tomcatをスタンドアロンで動作させてきました。次回はいよいよTomcatとApacheを組み合わせて、Tomcatをアプリ ケーションサーバとして使い、静的コンテンツをフロントエンドであるWebサーバで処理させる方法を解説します。また、Tomcatからデータベースへのアクセスについても解説します。