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【バグ管理の作法】最新家電のバグ管理

【バグ管理の作法】最新家電のバグ管理

第1回:実は難問だらけのバグ管理

著者:シンクイット編集部

公開日:2007/12/3(月)

家電もITの時代=バグ管理は重要

月曜日公開の連載では「特集テーマに関する最新なもの」をキーワードに、さまざまな分野での「注目物」を取り上げている。12月の特集テーマ「バグ管理の作法」での「最新」といえば「最新BTS」や「最新バグ管理手法」という内容を想像することだろう。

しかし、それらについては火曜日以降の連載群にお任せし、この連載は「最新家電のバグ管理はどうなっているのか」のレポートをお届けする。

昔の家電製品といえば、スイッチを入れればその作業を単純に行う、というものがほとんどだった。レンジは物を温めるだけ、冷蔵庫は冷やすだけ、良くてタイマーと温度センサー(それもサーモスタットのようなもの)だけ、といった具合だ。

しかし今現在、電化製品は著しい進化を遂げ、さまざまなものがコンピュータ制御されている。これに伴い、それまで単体で動作していた機器が組み合わさったり、協調動作をするようになってきている。

さらに電化製品とインターネット、携帯電話、ICカードなど、これまで接点が乏しかった機器同士が、あたかも1つのシステムのように連携し、サービスが提供されるケースもある。

これらの製品群に着目したとき、どのようにして出荷、サービスインにこぎつけているのか、疑問に思うのではないだろうか。本連載では、この疑問について紐解いていきたい。



電化製品のIT化によってもたらされたものは、機器の間での情報交換の可能性だ。

例えばデジタルテレビとHDDレコーダの組み合わせでは、テレビ側からHDDレコーダへの録画予約を行ったり、HDDレコーダに録画されたビデオの一覧をテレビ側からチェックするといったことができる。これはデジタルテレビとHDDレコーダの間で通信が行われているからこそ、実現できる機能だ。

さらにインターネットからのEPG情報の取得やメールベースでの録画予約といった、ネットワーク接続も一部の機種では標準機能として搭載されている。

このような便利な機能が追加された反面、開発の現場では大きな問題も発生している。それが「事前のテストの負荷」である。

従来、単体で完結していた製品は、個々にテストを行えば良かった。しかし連携して動作する場合には、個々が確実に動作する上に連携した状態についても担保する必要がある。これが同一メーカー内の製品であればまだ良いが、共通プロトコルに対応した他社製品との連携まで含めると、動作チェックを行うのは非常に難しく、大変な作業であることは容易に想像できるだろう。

このような開発の現場では、どのようなテストとバグ管理のポイントがあるのだろうか。 次のページ



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第1回:実は難問だらけのバグ管理
家電もITの時代=バグ管理は重要
  共通プロトコルに対応したネットワーク対応家電のケース
  特定の端末を中心としたサービス側重視のケース