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再び拡大期を迎えるLinuxオープンソースビジネス |
IAサーバーを中心にまだ市場拡大が望めるLinux
高い技術力とカスタマイズ力で事業者競争は本格化
取材協力:テックスタイル 風穴 江 2005/10/3
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はじめに
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企業の情報システムとして利用されるLinux。今や、ビジネスにITを活用する際の選択肢のひとつとして、Linuxは欠かせない存在となっている。
オープンソースのオペレーティングシステムとして注目を集めてビジネスで利用されるようになるまで、Linux業界にはさまざまな動きがあった。
Linuxを取り巻くさまざまな事業者(ディストリビューションメーカー、ハード/ソフトベンダー、SIerなど)は、業界の拡大に伴ってどのような対応を行い、サービスを提供してきたのだろうか。また、Linuxによって、今後どのようなサービスの展開が期待できるのだろうか。Linuxの歴史とともに考えてみよう。
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バブル崩壊を乗り越えたLinux事業者
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1991年頃からすでに誕生していたLinuxがビジネスの世界で大きく注目され始めたのは、インテルなどの大手企業によるレッドハット(RedHat)への投資が開始された1998年9月からとなる。米国のITバブルの高まりと呼応するように、多くのベンチャーキャピタルによってLinux企業への投資が活発に行われるようになり、Linux事業は大きな発展を迎えることとなった。
しかし、この時期に登場してきたディストリビューションメーカーをはじめとするLinux企業のすべてが現在でも生き残っているわけではない。景気の低下に伴い、Linux事業に当てられる資金も低下していくことによって、経営力のないLinux事業者は市場からの撤退を余儀なくされてきたのである。現在、ワールドワイドマーケットで覇権を争う2大ディストリビューションメーカー、レッドハットとスーゼ(SUSE LINUX:現在はノベル傘下)は、こうした淘汰の波を生き残ってきた企業の一例ということになる。
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IAサーバーへの乗り換え需要とLinux
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2000年から2001年のITバブル崩壊で成長が止まるかに見えたLinuxではあったが、2002年頃から「ビジネスに利用できるオペレーティングシステム」として認識され、ユーザーの認知度は高まってくる。これには、1999年からいち早くLinuxへの本格的なコミットを宣言していたIBMが、そのことによって着実に自身のビジネスを拡大していったことも大きな後押しとなった。また、従来のRISC/UNIXサーバーからIAサーバーへの乗り換え需要が大きくなり、これらの市場の広がりとともにLinuxに対する需要が増えてきたことも原因として挙げられるだろう。
現状では、RISC/UNIXサーバー市場に対して、IAサーバーをベースとしたLinuxとWindowsが市場規模を拡大している状態であるが、数年以内にはIAサーバー市場そのものの拡大傾向が頭打ちになってくる。そうなれば、いよいよ「Windows vs. Linux」の一騎打ちが激しさを増すことになる。
これらの市場規模の拡大においても、レッドハットとスーゼは、多くのハードウェアベンダーとワールドワイドでOEM契約しているという点で、高い優位性を持っている。また、大企業のニーズに合うサービスを提供している点も大きなアドバンテージである。たとえ、他のディストリビューションよりもコスト高であったとしても、大規模ビジネスに耐えうるサービスとサポートを提供できれば、市場に大きく食い込むことができる。
しかし、他のディストリビューションメーカーにチャンスが閉ざされているわけではない。現在の大手ディストリビューションの市場は欧米が中心となっており、中国を含むアジアや南米などにはまだまだ大きな市場が眠っている。これらの市場で今後どのようにシェアを獲得していくかが大きな鍵となっていきそうだ。また、現在の選択肢の少ない状況の中で、今後新たな価値を提供するディストリビューションメーカーが複数登場してくる可能性は十分にある。
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書籍紹介 「Linuxオープンソース白書2006 新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」
※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
「Linuxとオープンソースのビジネスの今」をすべて収録した「Linuxオープンソース白書2006」のご購入はコチラから
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