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Linuxオープンソース白書2006
成長するLinuxオープンソースビジネス

サン・マイクロシステムズ株式会社
(Sun Microsystems, lnc.)
著者:プロダクトマーケティング本部 本部長
纐纈 昌嗣   2006/1/27
OpenSolaris公開で「利用者」を「参加者」に
オープンソースコミュニティとともに成長する時代へ

ThinkIT会員特典20%OFF    当社は1982年の創業以来、一環して「The Network is The Computer」をコンピューティングシステムの将来像として目指してきた。広く利用できたハードウェアコンポーネントに、バークレイ版のUNIX(BSD)を組み合わせ、TCP/IPのネットワークでコンピュータを連携させることができる最初のワークステーションSun1を製品化した。これがインターネット発展の1つの原点と言える。

   インターネットが拡大するなかで、ネットワークにつながったさまざまなコンピュータで共通に動作する環境が必要となった。伝統的な姿のコンピュータだけではなく、ネットワークにはさまざまなデバイスが接続されることが予想された。

   当社はネットワークの可能性をより大きくするために、Javaテクノロジーを世に問うたのである。Javaの仕様が公開され、開発者に共有され、そしてさまざまなアーキテクチャーのコンピュータやデバイスに共通の環境が整備された。システムアーキテクチャーに分断されるのでなく、デスクトップ、サーバーシステム、デバイスといった、コンピュータの利用形態に応じた環境がつくられ、ベンダーから独立したJavaアプリケーション開発者のコミュニティが構成されてきた。

   また、Linuxが多くの開発者の興味を引くようになり、特にx86アーキテクチャーのハードウェアの可能性を広げる環境として強い支持を得るようになった。オープンソースの開発者コミュニティの力を得て、Linuxが時代を作るソフトウェアテクノロジーの1つとなってきた。当社はLinuxの開発に協力すると同時に、オフィスツールのOpenOfficeやJava開発環境のNetBeansをオープンソースとして提供することでLinuxの発展に寄与し、オープンソースコミュニティとともに成長するためにOpenSolarisを公開したのである。


OpenSolarisによる参加の時代の開始

   当社のオペレーティングシステムは、ネットワークコンピューティングを支えるインフラとして、より高いスケーラビリティと信頼性を求めて発展してきた。大量のトランザクションを処理しながら、高い品質と信頼性を実現するために機能強化が何度も行われてきた。

   さらには、周辺装置だけでなくCPU/メモリのオンライン交換も可能とし、100CPU以上でも実現するスケーラビリティ、問題の発生したコンポーネントを切り離した継続運転を可能とする高可用性機能、そして解決が困難であった性能ボトルネックを解消するためのツールなど、非常に高度な機能をもつオペレーティングシステムとして成長した。

   当社はSolaris成長の可能性をより広げ、より多くのユーザーの要件を満たすために、自社だけでなく、幅広い人々にSolarisテクノロジーへの参加を求める必要があると考えた。そして最新のSolaris 10を、OpenSolarisの名称でオープンソースとして公開した。OpenSolarisのポータルサイト(注1)では、ソースブラウザーや開発環境も公開され、メーリングリストで活発な議論が行われている。次世代Solaris開発への多くの技術者の参加が始まっているのである。


   当社はOpenSolarisにより、多くの人がSolarisの「利用者」から「参加者」に変わることを期待している。Javaは多くの人々の参加により、10年で大きな発展をした。今日、ソフトウェアテクノロジーの進化には、「参加(Participation)」が欠かすことのできないものになっている。当社は「The Network is The Computer」の理念がより発展し、新しい「Participation Age(参加の時代)」が始まったのだと考えている。


サービス化の原動力となるオープンソースの発展

   ソフトウェアは幅広い人々の「参加」を得たものが生き残っていくであろう。そして、ソフトウェアは今後は人類の共有財産となっていく。コンピューティングパワーの利用者は個別のソフトウェアではなく、ネットワークを介して提供されるサービスの利用者となっていくと当社は見ている。

   2006年はこの動きがますます加速する年になるであろう。すでに生活や仕事のなかで、ネットワーク提供のサービスを利用する機会は増えており、オープンソースの発展はこのサービス化の原動力となりつつある。当社はコンピュータのネットワークと「人」のネットワークが新しい時代を築くことを確信している。

書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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Linux/オープンソース白書2006
オープンソースの基礎知識
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世界のオープンソース開発プロジェクト
キーマンインタビュー
OSS推進の理由と活動の展望
オープンソースを武器に拡大戦略をとるワイズノット
ERP業界にオープンソースで挑戦するビーブレイクシステムズ
再び拡大期を迎えるLinuxオープンソースビジネス
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オープンソースを中核にした新世代のベンチャー企業
SI事業者におけるオープンソースの位置付けと今後の可能性
組み込み分野の動向を変化させるオープンソース
Linux技術者の認定資格「LPI」国内の現状報告
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実態調査で見るユーザー企業の利用動向
第1回 Linuxとオープンソースソフトウェアの認知度
第2回 サーバーOSの導入状況
第3回 ディストリビューション
第4回 技術者教育
第5回 オープンソースソフトウェアの導入意向
成長するLinuxオープンソースビジネス
第1回 レッドハット株式会社(Red Hat K.K.)
第2回 ノベル株式会社(Novell Japan,Ltd.)
第3回 ミラクル・リナックス株式会社(MIRACLE LINUX CORPORATION)
第4回 ターボリナックス株式会社(Turbolinux,lnc.)
第5回 モンタビスタソフトウエア(Montavista Software,lnc.)
第6回 日本アイ・ビー・エム株式会社(IBM Japan,Ltd.)
第7回 日本ヒューレット・パッカード株式会社(Hewlett - Packard Japan,Ltd.)
第8回 日本電気株式会社(NEC Corpotation)
第9回 富士通株式会社(FUJITSU LIMITED)
第10回 株式会社日立製作所(Hitachi,Ltd.)
第11回 デル株式会社(Dell Japan Inc.)
第12回 日本オラクル株式会社(Oracle Corporation Japan)
第13回 日本SGI株式会社(SGI Japan,Ltd.)
第14回 日本ユニシス/ユニアデックス/日本ユニシス・ソリューション(Nihon Unisys,Ltd.)
第15回 リネオソリューションズ株式会社(Lineo Solutions,lnc.)
第16回 SAPジャパン株式会社(SAP Japan Co., Ltd)
第17回 サン・マイクロシステムズ株式会社(Sun Microsystems, lnc.)
第18回 日本BEAシステムズ株式会社(BEA Systems Japan,Ltd.)