負けないERP提案のコツ

2006年6月8日(木)
鍋野 敬一郎

プレゼンとデモをよく見せるためには

プレゼンとデモをお客様によく見せるためには、何が必要なのでしょうか。それはプレゼンの目的「GOAL」を決めて、お客様と双方向の対話を心がけることなのですが、実際に実行するのは簡単なことではありません。

プレゼンやデモの「GOAL」とは、このプレゼンやデモを行った後にお客様に具体的にどのような行動を取って欲しいのかをイメージすることです。例えばプレゼンを行った後、お客様から「見積書が欲しい」とか、「具体的な導入効果を聞かれる」といったアクションをかならず誘導することです。絶対にこの 一言をいわせるといった意気込みや熱意がお客様に伝われば、必ずお客様からなんらかのアクションを期待することができます。これこそがプレゼンやデモの 「GOAL」といえます。

プレゼンを行うにあたっては「GOAL」を含めて、以下に示すことに注意してください。

プレゼンの心構え
図2:プレゼンの心構え


そしてこの心構えを基に、プレゼンとデモをよく見せるちょっとしたテクニックを、いくつかご紹介しましょう。

プレゼンやデモの資料を後から配布する

これはお客様に、説明や画面に集中してもらうための手段です。通常手元に資料があるとつい資料の先のページを見てしまいます。そうすると説明する前からわかったような気になって説明に対する集中力が落ちてしまうのです。資料を後から配布するのはこうしたことを防げます。


画面を切り替える時にかならずお客様に「次に行ってよいでしょうか」と問いかける

ちょっとくどいような気もするかもしれませんが、お客様側から見ると丁寧で気を使っているように見えます。疑問がある場合には、質問もでやすいので時間に余裕がある場合には有効な手段です。

座席の並びをスクール形式ではなく、円卓形式にする。

これは、特に昼食直後に5名以上のお客様に対してデモやプレゼンをする際に有効な手段です。この時間は食後ということもあり、スクール形式でプレゼンやデモをすると気を抜いて眠ってしまう人がでてきてしまいます。

ところが、円卓形式に席を配置すると不思議とこうした人が少なくなります。恐らくは全員が最前列ということと、向かい側の同僚から見られているという緊張感が理由ではないかと思います。さらに説明の要所で、順番に質問などすればよりプレゼンやデモの内容に集中してもうことができます。

いずれのテクニックも画面や資料ではなく、話し手に注目してもらうためのテクニックです。説明内容の良し悪しももちろん重要ですが、聞き手側が集中しやすい環境を用意することもよいプレゼン/デモの一環だといえます。

1966年生まれ。同志社大学工学部化学工学科卒業後、米国大手総合化学会社デュポン社の日本法人へ入社。農 業用製品事業部に所属しマーケティング責任者などに従事。1998年よりERPベンダー最大手SAP社の日本法人SAPジャパンに転職しマーケティング担 当、広報担当、プリセールスコンサルタントを経てアライアンス本部にてmySAP All-in-Oneソリューション立ち上げを行った。現在はERPベンダーのマーケティング・アライアンス戦略の支援や、ERP導入業者のビジネス活動 の支援に従事。

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