2006年7月18日、ネットワールドはTransitiveと代理店契約を結び「QuickTransit」を日本で販売することを発表した。
「QuickTransit」はOSやプロセッサの機種用に作成されたソフトウェアを、ソースコードやバイナリの変更なしに、他のサーバ機種で稼動させることを可能としたソフトウェアである。今回はSolaris/SPARCに対応した「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Xeon」の販売となる。
今回販売に関する発表会場で、はじめにネットワールド 常務取締役 マーケティング本部長 森田 晶一氏は「IAサーバの高性能化と低価格化、Linuxの普及により、RISCプロセッサ搭載のサーバにUNIX系OSを搭載したシステムからLinuxを搭載したx86サーバへの移行が増えている」と現在の状況を述べた。
ネットワールド 常務取締役 マーケティング本部長 森田 晶一氏
このRISC/UNIXシステムからx86/Linuxへの移行の際に、「QuickTransit」を利用することによって、ハードウェアの仮想化テクノロジーにより、スムーズな移行を実現できるという。
Transitive Corporation Chairman,President&CEOであるBob Wiederhold氏は、ある金融機関の事例を取り上げ、「当初はスケジュール通りに進んだが、途中で移行ペースが落ち、様々な問題によって予定よりも大幅にコストがかかる」と移行の問題点を指摘する。
Transitive Corporation Chairman,President&CEO Bob Wiederhold氏
ここでいう様々な問題とは、例えば社内やISV(注1)が開発したソフトウェアの中にはソースコートが存在しなかったり、企業そのものがなくなったりしている場合があげられる。他にもソフトウェアのバージョンによってハードウェアに対応していない場合なども考えられる。
※注1:
ISV(Independent Software Vendor)とは、特定のハードウェアベンダーやOSと関係性を持たないソフトウェア会社のこと
しかし「QuickTransit」では、ハードウェアの仮想化テクノロジーにより、このようなアプリケーションの問題を意識せずに済むため、スムーズに移行ができるという。スムーズに移行ができれば、移行にかかるコストを低く抑えることができる。また移行したアプリケーションのLinux上における処理速度は、Solaris/SPARCの時よりも2倍から4倍ほどアップする。
ネットワールドは今後の目標として、3年間で4,000台以上、売り上げで8億円以上を予定しているとのこと。また現在評価版のβ1を配布中で、7月末にバージョンアップしたβ2を配布予定だ。β2ではより多くのユーザの方に使用していただき、実際に移行した際の動作速度や使用感覚を体験していただきたいとのこと。
また「QuickTransit for Solaris/SPARC-to-Linux/Itanium」の販売に関する発表もあった。こちらは販売開始は2006年末を予定で、価格は未定。
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