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ガートナー ジャパン株式会社
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ガートナー、サービス指向アーキテクチャ(SOA)サミット2006開催

2006/7/20
新たな統合のシナリオ

   2006年7月19日にガートナー ジャパン株式会社は、俊敏性実現に向けた企業能力向上セミナーと銘打った「サービス指向アーキテクチャ(SOA)サミット2006」を開催した。

   現在、SOAに対する企業の認識が変わりつつあり、多くの企業においてSOAを意識したシステム構築へ舵を取りはじめている。本コンファレンスでは、その現状を踏まえSOAの導入に向け企業としての取り組みについての提言である。

   基調講演では、GartnerにおけるSOAの第一人者の1人である、Yefim Natis氏による「新たな統合シナリオ:アプリケーション・ソフトウェアの働きを変える5つのトレンド」と題した講演が行われたので紹介する。

Yefim Natis氏
Yefim Natis氏

   はじめにNatis氏は、新たな統合のシナリオであるアプリケーション統合の必要性を語った。ここにおいて今ビジネスで利用されているアプリケーションには、様々な要因によってその働きに変化が起きており、主な要因は以下にあげる5つがあるという。

  • SOAとイベント駆動型アーキテクチャ(EDA)がビジネスアプリケーションにおける主流の設計方式となること
  • ESB(Enterprise Service Bus)の導入
  • ベストプラクティスがコモンプラクティスとなりつつあること
  • ミドルウェア・アプライアンス製品
  • イベント処理により、ビジネスにおける対応速度が向上

   この5つのトレンドはそれぞれが密接につながっているという。

   これまで物理的に1つのアプリケーションによる運用が、次に論理的に均質なクライアント/サーバ方式になり、今後はSOAとEDAによる設計方式によって階層型アプローチが展開されていく。その際、ポイント・ツー・ポイントでシステムをつなぐ方式はサービスの数が増えるにしたがって煩雑化することになり、後々生産性が下がるという問題を生み出している。

   そこで注目すべきものがESBである。Natis氏によれば異種混合の接続を共通の統合インフラを介して接続することで、異種混合したシステムをまとめることができるのだという。そしてESBの事例が増えることによって、よりシステム統合は企業システムにおいて一般的なアプローチとなっていくのだという。

   またミドルウェア・アプライアンス製品によって、例えばXMLセキュリティやロードバランスなどのシステムをまとめて、ミドルウェアを補完する部分ができる。このようにしてあらゆるシステムを統合していく流れは加速しているのだ。

   Natis氏は、多くの企業において事業部同士でシステム間に独自のつながりがあることを指摘し、事業部をまたぐ統合ではESBごとでつないでいくと述べた。

   最終的にはそれぞれのシステムをカプセル化しESBでつないでいくことで企業のIT資産を統合して利用できるようになり、そこに新たな価値が見えてくるという。そしてそれをタイムリーに活用できれば、新しい行動につなげることができると語る。つまりSOAとEDAを成功させる鍵がここにあると締めくくった。

お問い合わせ
ガートナー ジャパン株式会社:http://www.gartner.co.jp
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