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株式会社日立製作所
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既存システムには企業の強みが凝縮されている、日立製作所がHITACHI Open Middleware World 2006 Summerを開催

2006/7/7
従来のスタイルを打ち破る、これからの経営スタイル

   7月5日、日立製作所は同社が展開するミドルウェアを紹介するHITACHI Open Middleware World 2006 Summerを開催した。ここで開催されたSOAセッションにおいて、株式会社日立製作所 ビジネスソリューション事業部 主管技師である山本洋一氏は「経営戦略の迅速かつ柔軟な実現に向けて」という講演を行った。

株式会社日立製作所 山本洋一氏
株式会社日立製作所 山本洋一氏


   ここでは、「多くのビジネスは、先をある程度見通していることを前提として行われています。この場合、変化が激しく先行きが読めない場合のリスクは非常に高いのです」と、山本氏は述べた。

   これは、予測を前提としてビジネスを進める上で、企業には事業の前提となる経営環境や技術動向を見極める予測能力と、不測の事態に備えた体力が必須であるということである。そのことを打開するためにも、これからのビジネスには先行きに左右されない変化に強い柔軟性が必要という。

   「柔軟なビジネスを実現するためには、既存システムや外部への各種サービスを組み合わせてシステムを構築するSOAが必須です」と、山本氏はSOAの重要性を強調した。


SOAには企業の強みだけを取り込むことが可能

   山本氏によると、既存システムの多くが利用率を上げるために、現場の声をシステムに反映しているという。現場のノウハウは既存システムに蓄積されているが、新規システム構築ではそれまでのノウハウ(強み)はなくなってしまう。

   そこで、「SOAで実現するシステムに組み込む企業の強みはすべてではなく、各企業の強みの部分だけあればよいのです」と既存システムの強みの活用についてこう述べる。

   これまでレガシーシステムの再生は「すべてのIT資産を活かす」か「すべて捨てる」かの二者択一だった。しかし「業務仕様回復技術」や「業務ロジック抽出技術」という日立製作所のソリューションを利用することによって、柔軟なビジネスを実現するための「業務観点での仕様理解の容易化」や「企業固有の強みを実現している部分のみの移行」が可能なことをアピールした。

業務仕様回復の例
業務仕様回復の例

   既存のシステムに蓄積された現場のノウハウを継承できるという点から、稼動しているシステムを柔軟に組み込むことができるSOAの必要性は高い。企業に蓄積された現場の声を無駄なくシステムに反映できるということ、これこそが日立製作所のこれからのビジネススタイルへの答えではないだろうか。