|
|
|
【HP/Red Hat】 Open Source Summit |
【基調講演】オープンソース & Linuxの今、そして、未来
2006/11/15
|
|
|
|
Linuxでも他のOSと同等のサポートを提供
|
オープンソース市場が拡大し、現在OSやインターネットベースのシステムだけでなく、ミドルウェアやアプリケーションの分野でもその導入が進んでいる。その中でWindowsとUNIX、Linuxの3つが中心となる環境は2010年まで続くと予想されている。
Hewlett-Packard Co. VP,Linux and Open Source & Linux Organization,
Christine Martino氏
従来からオープンソース導入についてサポートの不足と製品の未成熟さが懸念事項としてあげられていたが、OSSの導入が進んだ現在でもその意識は変わっていない。このような状況に対してヒューレット・パッカード(HP)ではOSに関わらず、これまで同社が提供してきたものと同等のサービスをOSS市場でも展開し、サポートしていくとChristine Martino氏は語った。
世界市場における各OSの成長予測
「HPがこれまでHP-UXの販売を通して得た経験を基に、50以上のサービスをユーザの要求にそって組み合わせ、グローバルに出荷していく。そこでは導入の速さと期待通りの結果を実現できる」
このような目標に向かうにあたり、HPでは積極的なオープンソースへのアプローチを行っているという。OSSビジネスを行うにあたって新規のライセンスを設けることなく、敢えて既存のOSSライセンスを利用しているのもそのあらわれだ。
「新規のライセンス形態を作ることは、ユーザの混乱の元となる。すぐれたGPLをそのまま踏襲し、さらにGPL v3の作成プロセスにも積極的に参加している」とOSSコミュニティと共同で取り組んでいくことを強調し、その中でユーザに最適なITソリューションと、最善の選択肢を用意していくことをコミットした。
|
ユーザの満足度を高める3つの柱
|
では実際に顧客のニーズを満足させるためにHPが進める戦略とはどのようなものだろうか。Christine Martino氏はその柱として「俊敏」「簡素」「価値」の3つをあげ、これらを通してユーザの不満や課題を解決すると語った。
「俊敏」とは、前述のユーザへの様々な選択肢を用意することだという。Red Hatとの契約を延長し、堅牢なパートナーシップを元に素早くユーザのニーズに対応できることを目指す。
「簡素」は、経営者やシステム管理者が持つ統合化への課題の解消に向けたものだという。HPではOSSおよび商用ソフトウェアなどの様々なコンポーネントの組み合わせによるテストを行い、それをベースとした問題のないパッケージを提供するという。
HPのオープンソース・ミドルウェア・スタックの構成
一方で、ユーザからの問い合わせにも高い技術力を持ってサポートにあたっているとのこと。昨年1年間に寄せられた48,000件の問い合わせの中で、180件のみパートナーに回答を求めたが、それ以外はすべてHP内で対応できたという。
そして「価値」については、HPはワールドワイドでは第1位のシェアを持ち、さらに日本国内では第2位であるとのデータを示した上で、Linux分野でのマーケットリーダと一緒に取り組むことで、企業の価値と自信につながると語った。
|
ユーザへの貢献を目指すHP
|
最後に事例紹介として、率先してLinuxの導入を進めるHP自社を取り上げ、OSSの有用性をアピール。さらに映像制作分野からDreamWorksを紹介し、機能向上とコスト削減のメリットについて語った。さらに国内事例としてBIGLOBEをあげ、Proliantのブレードシステムを使った先進的なシステムへの取り組みへの意欲を見せた。
「HPは今後もオープンソースのコミュニティにコミットメントや投資を行い、統合化やサポートサービスに力を入れて行く。それぞれの企業ごとに同じ環境は1つとしてなく、様々なニーズが存在する。HPは今後も、オーンソースソリューションと、その選択肢を提供し、ユーザへの貢献をしていきたい」と締めくくった。
(ThinkIT編集局 神保暢雄)
|