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センドメール株式会社
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Eric Allman氏が語るEメール、25年の旅

2006/11/22
Eメールが誕生してから25年

   今やビジネスに欠かせない存在であるEメールが誕生してから25年、四半世紀が過ぎた。記念すべきこの年の11月21日にセンドメールは、sendmailの父といわれるEric Allman氏を招き、「メール誕生25周年記念」と題したセミナーを開催した。

   Eric Allman氏は、メール配送エージェント(MTA:Mail Transfer Agent)のsendmailを開発し、米Sendmailの設立者でもある。現在はCSO(Chief Science Officer)として、sendmailならびに米Sendmail製品の技術戦略と開発を指揮している。本セミナーでは、Eメールと共に歩み、貢献してきたEric Allman氏により、これまでのEメールの歴史が語られた。

   Eric Allman氏は講演の中で、「よくEメールの生みの親として評されるが、本当の生みの親は1971年にEメールをはじめて送ったRay Tomlinson氏だ」と述べ、決して自分1人の力で現在のEメールの隆盛が起きたわけではないことを強調した。また当時を振り返り、Bill Joy氏などと共に様々な技術の創出に関われたことは幸せだと語った。


Eメール 2.0

   質疑応答では、フリーランスライターの塩田 紳二氏を招き、Eric Allman氏との対談形式で進められた。その中で塩田氏の「今後のEメールの形、例えばEメール 2.0という概念はどのようなものになるのか」という問いに、Eric Allman氏は「メールの根本的な部分、例えばSMTPについては今後大きく変化しないだろう」と答えた。またGmailの例をあげ、インターフェースの部分では大きな変化が訪れるかもしれないと述べ、例えばGoogle Mapsのような驚きが今後生まれることを示唆した。

   当初Eメールは、ロストすることが多く信頼できない状態だったという。これまでEric Allman氏はEメールの信頼性を高めるために様々な工夫をしてきた。その中でSMTPを例にあげ、競合となる会社同士が協力してプロトコルを作ってきたのが良い影響として出ていると語る。

   今後のEメールの問題として、スパムメールとビジネス利用の2つをあげる。スパムメールについては、今後取り組まなければならない重要な問題とした。またビジネス利用について、大量のメールをどのように管理するのかという問題がある。この問題の解決策として、「Eメールの利用を減らせばよい」と簡潔にいう。例えば会って話せば簡単に済むこともEメールで行っており、Eメールに頼りすぎているのが問題だという考えのようだ。

   また今後のsendmailには、新しいアイデアを盛り込む予定で、楽しみにしていてほしいと語り、講演を締めくくった。

センドメール株式会社
http://www.sendmail.com/jp/

(ThinkIT編集局 神保 暢雄)