TOP
>
ThinkIT News
> システム導入の成功の鍵はユーザの参加意識の向上にあり
HITACHI Open Middleware World 2006 Autumn
システム導入の成功の鍵はユーザの参加意識の向上にあり
2006/11/22
SOX法対応を契機に抜本的な業務改革を強力に推進
本日最後のセッションでは、「SOX法対応を契機に業務改革。その成功ポイントとは」と題して、株式会社ワーナーミュージック・ジャパン システム部 システム管理課 課長 藤野 勲氏が講演を行った。
SOX法の対応の経緯について藤野氏は「2005年5月の米ワーナーミュージックのニューヨーク市場上場に伴い、日本法人ながら売り上げの15%を占めるワーナーミュージック・ジャパンにおいても、SOX法が適用されることになった」と語る。
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン システム部 システム管理課 課長 藤野 勲氏
同社では、帳票などの書類入力については紙からExcelやWordへ移行していたが、実際の利用は紙ベースで行っていた。今回のSOX法適用を契機に、これらをすべてデジタル化し、システムによって管理することにしたという。
「電子フォームワークフローセット」を選んだポイント
システム導入に当たっては、数社の製品を選定し、その基準として「ユーザインターフェース」と「モバイル環境での利用」に重きを置いたという。
「ユーザインターフェースは利用者がなじみやすいものを選ぶことで、ユーザのトレーニングの軽減ができ、導入がスムーズに行えた」と語る。また同社の場合、出張が多いため書類の承認が滞る場合があったが、モバイル環境での利用によって解消できたとのこと。
プロジェクト成功の鍵
藤野氏は今回のプロジェクトの成功の鍵として、2つの点をあげる。
ユーザの参加意識の向上
プロジェクトを立ち上げ、ユーザ部門のキーマンたちとシステム部が一体となり、ツールの選定からシステム作りまで取り組んだこと。
ユーザインターフェースの重要性
Webブラウザ上に表示されている入力画面を、使い慣れた既存の帳票そのままにしたことで、ユーザに違和感を与えなかったこと。
表1:成功の鍵
またシステム導入による業務そのものの効率化以外にも、ワークフローの改善という利点があったという。「システム運用の際に、人に依存する部分で問題が発生した。しかし業務を行った時間が記録されていることで、どこに遅れが生じているのかが可視化できたために、ワークフローの見直すことができ、業務全体の効率化がはかれた」と藤野氏は語り、これまであいまいだった点が明確にできたことを強調した。
今後の展開として、他の業務へ拡張していくとともに、全社規模でのデータ連携を行っていきたいと語った。
(ThinkIT編集局 千本松 歩)