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Red Hat/JBoss Day:The Mainstream
Red Hat/JBoss Day:The Mainstream

NECのオープンソースへの取り組み

2006/12/13
ミッションクリティカルシステムにおけるLinux/OSSの導入の加速

   12月13日に開催されたセミナー「Red Hat/JBoss Day:The Mainstream〜レッドハットとJBossの今とこれから〜」のビジネスセッションにおいて、「OSSへの取り組み〜NECのOSSミドルウェアを活用したシステム構築の考え方〜」と題した講演を日本電気(以下、NEC)の高橋 千恵子氏が行った。

   高橋氏は、現在のOSS利用状況について「全体から見ればまだ多くはないが、その利用の伸び率は大きい」と述べ、近年ではアプリケーションのレイヤでも多くの製品があり、適用領域は広がっているという。

日本電気 OSS推進センター 高橋 千恵子氏
日本電気 OSS推進センター 高橋 千恵子氏

   同社では1998年頃からオープンソースに取り組んでおり、早稲田大学やGMOインターネット証券の事例を紹介した。GMOインターネット証券の事例では、SLA(サービスレベルアグリーメント)を定義して、それに従ったハードウェア構成やサポートレベルなどを設定し徹底したTCO削減をはかったという。

   様々な事例を通して開発された「Linux構築Suite」をベースにした基幹システムの構築においては、商用のミドルウェア製品による構成とオープンソースソフトウェアによる構成の2つのパターンを提供しており、どのような要件にも対応できるという。

   オープンソースソフトウェアへの取り組みの中で、新たにデータベースの監視やメンテナンスのツールの開発ができたという。データベースメンテナンスツール(PostgreSQLのみに対応)は、ベリファイやサルベージ機能がある。またJBossに同社のMCOneを組み合わせることで、Java業務アプリケーションの一括配布や解析能力を高めた業務トレースが可能となる。これらの補完製品によって、オープンソースソフトウェアのシステムを強化できるとした。


JBossの課題

   高橋氏はJBossを利用する際の問題点として、技術者や知識の不足をあげる。同社ではサポートサービスで実施している情報をFAQとして公開したり、同社のOSSメンバーでJBoss関連のニュースを日本語に訳して配信するなど、技術者育成にも取り組んでいる。

Apache Webサーバ、Tomcat&JBossニュースレター
Apache Webサーバ、Tomcat&JBossニュースレター

   NECではこれからも「エンタープライズLinuxソリューションfor MC」を中心に、「プラットフォーム」「サポートサービス」「システムインテグレーション」を行い、ミッションクリティカルシステムへのLinux/OSSの適用を加速すべく取り組みを推進していくと述べ、講演を締めくくった。

(ThinkIT編集局  曽我 一弘)