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SaaS World Conference & Demo 2007 基調講演レポート「Software as a Serviceマイクロソフトの戦略」

イベント基調講演SaaS

2007/3/29 17:40

Software plus Serviciesを強力に推進

東京コンファレンスセンター・品川にて3月28日〜29日の2日間開催されているSaaS World Conference & Demo 2007から、マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 プラットフォーム戦略部 部長の成本 正史氏の基調講演の内容をお届けする。

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 プラットフォーム戦略部 部長 成本 正史氏

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部

プラットフォーム戦略部 部長 成本 正史氏

成本氏はまず現在のSaaSの状況について「SaaSはITのポートフォリオ全体をカバーできるものではありません。今後の課題としてポートフォリオ全体を問題領域と考え、SaaSの進化を導くために開発/運用のプラットフォームが不可欠です」と語った。

その上で「Software plus Servicies」というキーワードをあげ、これを今後の目標として強力に推進していくと述べた。

従来の「Software」と「Services」にはメリット/デメリットや適用分野がある。Servicesは課金やトライアル、運用管理などに、Softwareはコントロールや柔軟性、インテグレーションなどにそれぞれ強みを持っているという。

成本氏は「SoftwareとServicesのどちらが優れているというわけではなく、それぞれに長所や短所があります。お互いが補完しあった最良の組み合わせを模索しています」と述べ、両者の組み合わせによるサービスの提供こそが「Software plus Servicies」であるとアピールした。

この「Software plus Servicies」の実際の例としてWindowsやOfficeのアップグレードを行う「Microsoft Update」や新聞社のオンラインコンテンツを取り上げ、「これらのようにオンラインのサービスだけで完結せず、ソフトウェアとサービスを組み合わせて相互に連携しあうことで、よりよい体験ができます」と語った。

同社では、今後「Software plus Servicies」のモデルを推進していくために、以下の5つの要素が重要であると位置づけているとのこと。

エクスペリエンス
あらゆる環境/デバイスで一貫性のあるコンテンツにアクセスできる。
デリバリー
どのような形態で提供するか。素材として/他の資産と組み合わせて/単体で完結したサービスとして、の3つを同社は推進する。
コンポジション
プレゼンテーション層ではマッシュアップ、サービス層ではアプリケーション資産の共有を行う。さらにメタデータを活用した開発を推進する。
フェデレーション
複数のサーバ間での連携が不可欠で、シングルサインオンなどを提供する。
課金モデル
サブスクリプションから利用量に応じた課金へとシフトが必要。

これらを踏まえ、成本氏は「SaaSからSoftware plus Serviciesへ進化するためには、これらの5つの項目すべてが強化される必要があります。マイクロソフトは、これらに必要なプラットフォームを提供し、そこで完成したものをユーザの皆さんに使っていただくことで、プラットフォームベンダーとしての責任を果たしたいと考えています」と締めくくった。

問い合わせ先

SaaS World Conference & Demo 2007

URL:http://www.idg.co.jp/expo/saas/

(ThinkIT編集局  神保 暢雄)