イベントレポート「MySQL Users Conference Japan 2007」
MySQLイベント基調講演
2007/9/11 18:00
日本におけるMySQLの様々な活動を紹介
MySQLは9月11日と12日の2日間、お台場の日本科学未来館において「MySQL Users Conference Japan 2007」を開催した。会場となった日本科学未来館のホールは立ち見がでるほどの参加者が詰めかけ、非常に熱気のあるカンファレンスのスタートとなっていた。
まずMySQL 代表取締役社長のLarry Stefonic氏による基調講演が行われ、同社の現在のビジネスと目標、そして日本における新しい展開について発表した。
MySQL 代表取締役社長 Larry Stefonic氏
この中でStefonic氏は以下のような目標を持ち、ビジネスを進めていくと語った。
- 企業としてのMySQLの認知度を高める
- MySQLに関する知識を手軽に、かつ日本語で習得できる場の提供
- ユーザとパートナー、そしてMySQLとの間で交流を深めるためのフォーラムづくり
さらに、日本語によるMySQLの認定制度を9月25日より提供することや、MySQL Enterprise Monitor日本語版についての発表があった。
続いて駐日スウェーデン大使のステファン・ノレーン閣下が檀上に立ち、スウェーデンと日本の良好な関係に触れ「ここに参加されている皆様が、MySQLを使ってさらなる高みに登られますように」と祝辞を述べた。
駐日スウェーデン大使 ステファン・ノレーン閣下
MySQL ABのCEOであるMarten Mickos氏は「歓迎の挨拶とMySQL ABの状況について」と題し、講演を行った。
MySQL AB CEO Marten Mickos氏
その中でMickos氏は「これからもMySQLはシンプルさを維持しつつ、これまでデータベースが必要だが入手できなかった人たちに対して、低コストでより良いサービスを提供していきたい」と述べた。
日本ヒューレット・パッカードの取締役専務執行役員の吉田 雅彦氏は「ヒューレット・パッカードは、MySQLとJBossに対してサポートを提供した最初のベンダーである」とアピールし、今後もこの分野に対して貢献していきたいと語った。
日本ヒューレット・パッカード 取締役専務執行役員 吉田 雅彦氏
その一環として、現在行っているMySQLに対するサポートを拡大し、日本語による24時間サポートを提供していくと発表した。
住商情報システム IT基盤ソリューション事業部 事業部長の向井 健治氏は、オープンソースの分野の発展にはコミュニティの役割が重要であるとし、カンファレンスの参加者に向けて「コミュニティを作り、Win-Winな関係を築いていきましょう」とメッセージを送った。
住商情報システム IT基盤ソリューション事業部 事業部長 向井 健治氏
デル マーケティング&オペレーションズ本部 アライアンス&ソリューションズ部 部長の瀬戸 弘和氏は、同社のオープンソースソフトウェア戦略の概要について述べ、同社が今後もMySQLに協力しつつ取り組んでいくと意欲をアピールした。
デル マーケティング&オペレーションズ本部 アライアンス&ソリューションズ部 部長
瀬戸 弘和氏
最後にゲストスピーカーとして、Rubyの開発者であるネットワーク応用通信研究所 フェローのまつもとゆきひろ氏が登壇した。
ネットワーク応用通信研究所 フェロー まつもとゆきひろ氏
まつもと氏はフリーソフトの歴史を紐解きながらオープンソースソフトウェアについておさらいし、自身が作り上げたRubyとMySQLの関係などについて語った。そして、今後企業がオープンソースにかかわっていくために必要な心がまえとして「単に作るだけではなく、コミットしていく姿勢こそが重要である」と述べ、講演を締めくくった。
(シンクイット編集部 神保 暢雄)