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NEC Software Summit 2005

NEC、Software Summit 2005を開催 - その3

2005/11/2

NECソフトウェアビジネスユニットは10月21日にSoftware Summit 2005を開催した。そのサミットのレポートの第3弾をお届けします。

企業情報システムの統合「Oracle 10g」

   「インターネットコンピューティング(注)が普及してまだ3年だが、Oracleのイントラネットはすべてインターネットコンピューティングである」と日本オラクル株式会社 執行役員 三澤 智光氏は語り、インターネットコンピューティングへの取り組みの重要性を語る。

注: インターネットコンピューティング
クライアントを単純化し、サーバにより多くの機能を集め、クライアントとサーバをインターネットにより接続すること
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日本オラクル株式会社 執行役員 三澤 智光氏
日本オラクル株式会社 執行役員 三澤 智光氏

   また、今後はソフトウェアの使い方に焦点が当てられるのではないかという考えを示したうえで、アプリケーションエンジンが何かという問題ではなく、安定した運用とアプリケーション同士の連携こそが重要になっていることを訴えた。

   アプリケーションプログラムがカットオーバーを迎えた後に不具合が発見された例を用いて、現状では専用のコンソールを用いているため不具合の箇所を見つけるのが難しい、ミッションクリティカルな状況ではシステムを停止してプログラムを修正するのは難しい、と問題点をあげた。

   このような現状に対して、三澤氏は「Oracle 10gによってミドルウェアとデータベースを統合し、システム統合管理することで安定運用と管理が実現できる」と語る。また、ミドルウェア上にあるアプリケーションプログラムを監視することもでき、先ほどの例では、不具合を探すのに数ヶ月かかるが10分で発見できるという。

   カットオーバー後に発見されたバグや重いプログラムなどに関しては、「Oracle自身がデータベースのチューニングを行い、機会をみてプログラムの修正を行うこともできる」と述べ、サポート体制の充実ぶりがうかがえる。


業務システムの信頼性を向上するミドルウェア「MCOne」

   インターネットビジネスにおいてネットワークの停止、つまりサービスの停止は重大な問題であり、「障害が起こらないこと、業務がとまらないことが重要である」とNEC ミドルウェア事業部 宮 裕子氏は語る。

NEC ミドルウェア事業部 宮 裕子氏
NEC ミドルウェア事業部 宮 裕子氏

   MCOneは、分散したサーバに対して個々の業務に必要なアプリケーションを自動的に配信を行うミドルウェアである。宮氏は「自動的に配信するので、手作業によるミスなどのアプリケーションが配置されていないというようなトラブルを防げる」と強調した。

   管理者が気づきにくい障害として、サーバは起動しているのにシステムが動いていないという障害があったが、MCOneを使うことでサーバが起動しているだけではなく、業務がちゃんと行われているのかどうかを確認することができ、しっかりとした対応がとれると考えられる。

   またMCOneではアプリケーションを2つ同時に動かすことが可能なため、ビジネスを止めずにアプリケーションを置き換えることができ、宮氏は「新旧の入れ替えが簡単にできるため、次々とアプリケーションを変更し試せるので運用効率があがる」と語る。

   また宮氏はWebSAM System Navigatorについても紹介した。

   WebSAM System Navigatorは、1台から100台規模のサーバを一元的に統合監視し、運用管理に必要な機能がすべて揃っている製品である。業務管理、統合運用管理、ナレッジ管理の3つの機能を提供し手軽に高度な運用管理ができる。WebSAM System Navigatorについて宮氏は「ナレッジデータベースで運用管理することで、管理者のスキルに依存しないのが特徴だ」と語る。


機密データの持ち出しを禁止する「InfoCage」

   最近の動向としてNEC ユビキタスソフトウェア事業部 竹本 英明氏は「個人情報保護法施行以後も、情報漏洩事件は減る傾向がみられない」と語る。情報漏洩の85%は内部からという実情に対して「ただ単にアクセス権の権限を管理するだけでは、対応しきれない」との考えを示し、「情報をしっかり管理することが求められている」と語る。

NEC ユビキタスソフトウェア事業部 竹本 英明氏
NEC ユビキタスソフトウェア事業部 竹本 英明氏

   InfoCageは顧客情報などの機密データを持ち出し禁止にすることで、情報漏洩を防ぐ。またデータだけでなくサーバやハードウェアに対してのセキュリティ対策も視野に入れ、マシンを廃棄するときにも注意を払い、セキュリティ対策をトータルでサポートするものだ。

   導入の際には混在した情報を整理し分類することからはじめ、「それぞれにセキュリティレベルを設けて管理し、段階的に導入する」と竹本氏は語り、既存の状況に合わせて導入することができる。

   InfoCageの考え方はシンクライアントと似ているが、シンクライアントの導入には専用の端末が必要であり、スペースやコストが問題である点に対して、「InfoCageでは既存の資産をいかせる」と語り、スペースやコスト面を強調する。

   最後に竹本氏は「セキュリティをトータルで考えることで、使う人間のセキュリティの意識をあげるツールとして捉えていただきたい」と述べた。


インターネットビジネスの拡大に向けて

   最後にNEC 執行役員常務 伊久美 功一氏が「これからソフトウェアの領域でパートナーシップを強化し、競争力を高め、新しいマーケットを作っていきたい」と語り、また「新たなパートナーとお互いに協力し、よりよいソリューションや製品、サービスを提供していきたい」と述べNEC Software Summit 2005の閉会の言葉とした。

NEC 執行役員常務 伊久美 功一氏
NEC 執行役員常務 伊久美 功一氏