クライアント型SOAが実現するBtoBクライアント

2006年5月31日(水)
吉政 忠志

BtoBクライアントへの適用

   BtoB接続と聞くと、「大変な仕事ですね」と思われる方も多いかと思います。実際のBtoBのシステムを見てみますと、ロゼッタネット(注1)ま でいかなくても非常に厳密なプロセス統合とデータ統合を行う傾向が強いのです。その理由はサーバtoサーバのシステム結合を行おうとするからです。


※注1:
企業間の商取引の効率化を目指した世界規模のネットワーク

   確かに理想を追求しようとすれば、完全に同期が取れてリアルタイムな処理で連携できた方がよいに決まっていますが、そもそも会社や業態ごとにその成長の歴史が違うためにサーバシステムも千差万別です。

   この状態で前述の理想を追求しようとすれば、物凄い時間と費用がかかるのは明白です。さらにしっかりと作られたものほど柔軟性に欠けるため、後世への負の遺産的な扱いになってしまう可能性も非常に高いのではないでしょうか(図2)。

現状のBtoBシステム
図2:現状のBtoBシステム

   もしお互いが密結合を考えずに図3のようなクロスネットワーク型の疎結合的なBtoBを実現したらいかがでしょうか。

クロスネットワーク型のシステム
図3:クロスネットワーク型のシステム

   図3のようにそれぞれのサーバは他のサーバと接続されず、相手側のクライアントと接続されているにすぎないためシステム間の密結合を行う必要がありません。皆様はお気づきかと思いますが、この形はすでにWebEDIなどで実現されている形です。

   WebEDIの弱点は、電子商取引の一連の作業が他社サーバのやり取りと、自社内のやり取りが分離しており、その作業連携をマンパワーで補わなくてはならないことです。これは、取引量が増えれば増えるほど、人件費がかさむことになります。

吉政創成株式会社 代表取締役

IT業界のマーケティング分野で20年近い経験を持つマーケッター。株式会社トゥービーソフトジャパンをはじめとするベンチャー企業から大手企業まで幅広くマーケティング支援を行う。現在はマーケティングアウトソーシング会社である吉政創成株式会社の代表取締役を務めつつ、PHP技術者認定機構 理事長、Rails技術者認定試験運営委員会 委員長、ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン 理事長も兼任。

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