OpenLDAP環境構築(前編)

2005年9月21日(水)
森本 伸幸

OpenLDAPインストール

OSをインストールした段階でOpenLDAPはインストールされているのですが、今回はそれとは別にソースからインストールしていきます。インストールするバージョンは、2.2.26(stable)です。下記の手順に従って、インストール作業を行ってください。

OpenLDAPのインストール手順

1. ソースをダウンロードする
OpenLDAPのサイト(http://www.openldap.org/software/download/)からtarファイルを作業ディレクトリへダウンロードする
2. ダウンロードしたtarファイルを展開する
$ cd <em>作業ディレクトリ</em>
$ tar zxvf openldap-stable-20050429.tgz
3. 展開されたディレクトリへ移動してconfigureスクリプトを実行する
$ cd openldap-2.2.26
$ ./configure --with-cyrus-sasl --with-tls
SASL及びTLSに関しては、configureが自動で検出してくれるので省略できます
4. メッセージが表示されていることを確認する
Please "make depend" to build dependencies
5. 依存関係を作成する
$ make depend
6. OpenLDAPをコンパイルする
$ make
7. 6で該当モジュールが作成されているかを確認する
$ make test
8. 6で作成されたモジュール群をインストールする
$ /bin/su -c "make install"

OpenLDAPをソースからインストールすると、デフォルトで下記ディレクトリにファイルがインストールされますので確認して下さい(表2)。

表2:OpenLDAPのディレクトリ構造

ディレクトリ ファイル 説明
usr local include ldap*.h ヘッダーファイル
lber*.h
etc openldap   slapd.conf slapdデーモン用設定ファイル
ldap.conf ldapクライアント用設定ファイル
schema *.schema 各種スキーマファイル
lib liblber* ライブラリファイル
libldap*
libexec slapd LDAPデーモン
slurpd LDAP更新複製デーモン
sbin slapadd バックエンドデータベースへのエントリ追加コマンド
slapcat バックエンドデータベースからLDIFを生成するコマンド
slapdn スキーマ定義を基にしてDNの適合性を検査するコマンド
slapindex バックエンドデータベースのインデックスを再生成するコマンド
slappasswd slapd.confのuserPasswordのパスワードハッシュ値を生成するコマンド
slaptest slapd.confの適合性を検査するコマンド
bin ldapadd エントリ更新/追加コマンド
ldapcompare 比較コマンド
ldapdelete エントリ削除コマンド
ldapmodify エントリ更新/追加コマンド
ldapmodrdn エントリのRDN変更コマンド
ldappasswd エントリのパスワード変更コマンド
ldapsearch 検索コマンド
ldapwhoami 診断情報を出力するコマンド
var openldap-data バックエンドデータベース格納用
openldap-slurp slurpd用作業ディレクトリ
run pidファイル格納用

次回予告

次回は、Cyrus SASLによる認証機構であるGSSAPIを使って、OpenLDAPとKerberosを連携させるための認証設定とOpenLDAPの設定ファイルであるslapd.confの設定について説明していきます。

システム開発の現場にて、各種言語を使ったウェブプログラミングを経験する。その際構築したLAPP環境に興味を持ち、その過程でのサーバ構築や独自の勉強などを通し、オープンソースというものに魅かれるようになる。現在は基盤構築案件にて構築業務に従事しながら、Linuxやオープンソース技術についての研究をしている。    

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています