ERの基礎知識とツールの活用法

2006年3月1日(水)
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)

表示レベル


   データモデリングツールは、複数の表示レベルをサポートしています。例えば図3は、エンティティ名とアトリビュート名(主キー項目と非主キー項目)をあらわす表示レベルですが、図5のようにこれに加えてデータ型やサイズなども表示できるレベルもあります。
データ型、サイズを表示するER図
図5:データ型、サイズを表示するER図
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   また、図6のようにエンティティ名だけを示したり、エンティティ名と主キー項目だけで表現するレベルもあります。

エンティティ名だけ表示するER図
図6:エンティティ名だけ表示するER図
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   これらの表示レベルはサブモデルごとに設定でき、ワンタッチで切り替えできます。通常、システム規模が大きい場合はメインモデルはエンティティ名だけにして、サブモデルを詳細情報表示とします。


設計書出力


   データモデリングツールを使う魅力は、RDBMSのリアルな情報をリバースして設計書に印刷出力できる点です。図7のようなER図を印刷したり、図8のようなテーブル定義書をExcel出力することが簡単にできるので、いつでも最新の設計書を自動生成することが可能です。

ER図の印刷出力(プレビュー画面)
図7:ER図の印刷出力(プレビュー画面)
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テーブル定義書のExcel出力
図8:テーブル定義書のExcel出力
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   「リバースして設計書に出せる」これが私がデータモデリングツールを積極活用する大きな理由の1つといえます。


最後に


   2回にわたってER図という表現方法そのもの・ツールの活用法という2つの側面で解説しました。記事を読んだことにより、ER図に対して消極派だった方が、これを契機に設計生産性アップを実感していただければ幸いです。

著者
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)
株式会社システムインテグレータ

東芝、SCSKを経て1995年に株式会社システムインテグレータを設立し、現在、代表取締役社長。2006年東証マザーズ、2014年東証第一部、2019年東証スタンダード上場。

前職で日本最初のERP「ProActive」を作った後に独立し、日本初のECパッケージ「SI Web Shopping」や開発支援ツール「SI Object Browser」を開発。日本初のWebベースのERP「GRANDIT」をコンソーシアム方式で開発し、統合型プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」など、独創的なアイデアの製品を次々とリリース。

主な著書に「Oracle8入門」シリーズや「SQL Server7.0徹底入門」、「実践SQL」などのRDBMS系、「グラス片手にデータベース設計入門」シリーズや「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」などの業務知識系、「実践!プロジェクト管理入門」シリーズ、「統合型プロジェクト管理のススメ」などのプロジェクト管理系、最近ではThink ITの連載をまとめた「これからのSIerの話をしよう」「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン」「エンジニアなら知っておきたい システム設計とドキュメント」を刊行。

「日本のITの近代化」と「日本のITを世界に」の2つのテーマをライフワークに掲げている。

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