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ノベル株式会社 古井 洋司
ロータス株式会社(現IBM)およびリアルネットワークス社にて製品企画担当としてデスクトップ製品およびインターネットマルチメディアソリューション等数多くの製品を手がける。現在ノベル株式会社においてLINUX製品および資産管理ソリューションZENWorks等のプロダクトマーケティングを担当。
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ノベル株式会社 岡本 剛和
1994年にノベル株式会社に入社。以来開発部門に所属し、MacintoshやUNIXに対応した製品を主に担当。また、近年の多様な製品戦略により、TCP/IPなどのプロトコルスタックやPKIによるセキュリティ、J2EE、XMLなど、幅広く技術を習得。SUSE LINUX買収後は、いち早く独SUSE社開発陣との交流を図ったり、製品の日本語化、無料のFTP版配布のコーディネートなども行う。現在はSUSE LINUXを普及すべく、技術面全般を担当。
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政府主導によるオープンソースの普及が推進され、企業でもエンタープライズサーバOSにLinuxを採用する機運が高まってきた。そうした中、今まさに、Linuxディストリビューション市場の構図に大きな変化が訪れようとしている。これまで国内市場をリードし、一時は日本市場におけるデファクト・スタンダードになろうとしていたRed Hat Linuxを脅かす存在として俄然注目を集めているのが、ノベルが満を持して投入した「Novell SUSE LINUX(以下、SUSE LINUX)」である。今回は、注目度が急騰中のSUSE LINUXに対するノベルの取り組みについて、SUSE LINUXのマーケティングを担当する古井洋司氏、製品開発を担当する岡本剛和氏に話を伺った。 |
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— 現状のSUSE LINUXは、エンタープライズサーバOS市場でどのようなポジションにあるのでしょうか。
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古井氏 SUSE LINUXの国内販売が開始されたのは、2004年7月です。お客様企業にとっても、導入してまだ半年しかたっておらず、検証中の段階である企業がとても多いと思われます。
ただし、IBMについては「zSeries」などのハイエンドのシステムに対し、SUSE LINUXをOEM供給してきました。これは、ノベルがSUSE LINUXを買収する以前からです。そういうハイエンドシステムに関しては、元々SUSE LINUXが高いシェアを持っています。
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今後もそうしたハイエンドシステムにおいてのシェアは、維持していきたいと考えています。
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— 現状は、メインフレームに強いわけですが、ミドルレンジの部分はどうなんでしょうか。例えば、Javaのアプリケーションサーバやデータベースサーバなどの市場です。
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古井氏 アプリケーションサーバに関しては、米ノベルはJBossコミュニティのスポンサーになっています。ノベル自身も「exteNd」という製品を持っていますが、そのアプリケーションサーバを2004年度内にJBossに移行することをすでに発表しています。また、「Novell SUSE LINUX Enterprise Server 9」にも、あらかじめJBossが組み込まれており、それを利用してアプリケーションサーバを構築できます。現状では、コネクタの部分からすべてのレイヤーをLinuxだけで構築できるシステムは、SUSE以外にはほとんど存在しないせん。いわゆるSOAの環境を、すべてLinuxだけで構築できるのです。
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— Novell SUSE LINUX Enterprise Server 9のお話が出ましたが、新製品の特徴についてお聞かせいただけますか。
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岡本氏 Novell SUSE LINUX Enterprise Server 9の最大の特徴は、カーネル2.6を採用した点です。カーネル2.6には、エンタープライズサーバOSに求められる機能がたくさん盛り込まれています。
従来のバージョンでは、カーネル2.4に対してバックポーティングを行ってきましたが、カーネル2.6を全面採用したことで、たとえばスケールアップによる拡張に対応するようになりました。これまでLinuxというと、スケールアウトによるシステム拡張が一般的でしたが、カーネル2.6では単体サーバにおけるスケールアップが図れます。
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だだ、SUSE LINUXでは、カーネル2.6をそのまま採用しているわけではありません。ディストリビューション独自のカーネルを当て、安定化を図っている部分があります。また、ハードウェアベンダーとのアライアンスにより、独自のパッチを当てている部分もあります。
ノベルのSUSEのラボでは、さまざまなハードウェアをテストして、必要なものをパッチとして取り込んだ形で提供しています。もちろん、リリース後も継続的に性能向上を図っていますので、安心してカーネル2.6を利用していただけます。
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— 具体的には、どういうパッチが当てられていますか?
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岡本氏 一番多いのがハードウェアのパッチですね。カーネルの中にたくさんのドライバも組み込んでいますが、ハードウェアベンダーと密接に連携することによってディストリビューションの中に取り込み、インストールしてすぐにハードウェアが利用できるようにしています。もうひとつは、たとえばIBM DB2のクラスタリングのパフォーマンスを向上させるものや、アプリケーションによってリソースを割り振るものなどがあります。後者は、IBMと共同開発したCKRMという機能で、システムのメモリ、CPU、I/O、ネットワークなどのリソースを1つのプロセスが占有しないようにすることを目指しているものです。
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— さきほど、SUSEラボの話がありましたが、それぞれのプラットホームでパフォーマンスの検証もしているのでしょうか。
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岡本氏 パフォーマンスの検証については、ノベルにスーパーラボという別のラボがありますが、基本的にOSDLやTPCなどの外部機関と一緒に協力することが主になります。ただし、スケラビリティやパフォーマンスは案件ごとに違うので、お客様の環境に応じて行います。
第三者によるベンチマークについては、TPC-CのノンクラスタシステムでOracle DatabaseとSUSE LINUXを搭載したNEC Express5800がLinuxサーバの中で最高値を記録しています。
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— マーケティングに関しては、どういう特徴があるのでしょうか。
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古井氏 Novell SUSE LINUX Enterprise Serverの価格面で特徴的なのは、ディストリビューションとサポートが切り離されている点です。ディストリビューションに関しては、x86であれば市場推定価格で約5万円からという設定になっています。ライセンスはCPU単位なので、例えば仮想化技術を用いて複数のパーティションが存在するシステムであっても、CPU数によるライセンスになります。
それとは別に、お客様に合わせた最適なサポート環境を提供できるいうのが大きな特徴です。インストレーションのサポートだけを行う最小限のレベルから、専任のサポートエンジニアを常駐させて、最初のレスポンスタイムを15分以内にするサポートプログラムまで用意しています。
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— ハードウェアについては、どのようにお考えですか。
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岡本氏 SUSE LINUXは、特に64ビットにコミットしており、たとえばAMD64版でも最大512GBまでサポートしています。これは、SUSE LINUX 8からサポートしてきたもので、AMDとの強力なアライアンスと、x86 64ビット版のカーネルパッチを多く作ってきた経験により実現されているものです。
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古井氏 エッジサーバならx86、科学技術計算のHPCなら64ビットなど、使われる用途によってハードウェアは異なります。IBMのメインフレームなら、勘定系が中心です。
SUSE LINUXでは、シングルソースコードベースの開発基盤「AutoBulid」を採用しています。これは全てのプラットホームに対して同時に最新のテクノロジーを提供できるもので、今回のNovell SUSE LINUX Enterprise Server 9でも、x86版とIBM p/i/zSerises版がほぼ同時に提供できます。
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