USBメモリを使って手軽にバックアップ
自宅サーバーが置かれる環境は、データセンターやサーバールームといったサーバー専用の設置環境と比べて劣っている場合がほとんどです。また自宅サーバーとするマシンも、サーバー専用機の場合もあれば、PCもしくはPCに毛の生えたようなマシンである場合も多いと思います。その場合懸念されるのがサーバー故障によるデータ消失です。
自宅サーバーの用途は様々ですが、もしファイルサーバー、マルチメディアサーバー、開発サーバーなど、重要なデータが置かれている場合のデータ消失は深刻です。こういった用途で自宅サーバーを使っている場合は、サーバー設置環境を改善することや、サーバーハードウエアを良いものにして壊れにくくすると共に、バックアップをきちんと取っておくと安心です。
バックアップを考える際最も重要なことの一つにバックアップデータをどこに保存するかということがあります。もし企業であれば、バックアップにはテープデバイスやディザスタリカバリー等の大がかりな仕掛けを用いる場合が多いですが、自宅サーバーの場合そこまでお金をかけるわけにいきませんので何か工夫したいところです。
そこで今回は安価かつ手軽に準備でき、扱いも簡単なUSBメモリーにバックアップを取ることを考えてみます。なお今回は一応USBメモリーと決めうちしていますが、これがUSB接続型の外付けNASストレージなどであっても基本的な考え方は同じですのでバックアップデータ量が多い場合はそちらも研究してみてください。
※今回も便宜上サーバーOSとしてCentOSを前提とします。
USBメモリをマウントする
自宅サーバー上でUSBメモリを扱うためには、USBメモリをマウントする必要があります。
まずは必要な記憶容量以上のUSBメモリを入手してください。最近は大容量USBメモリが非常に安価で購入できるようになって良い時代になったものです。無事入手できたら、Windows等でフォーマットしてから自宅サーバーに挿してください。この操作は自宅サーバーが停止中でも起動中でも、おそらくどちらでも大丈夫です。
図1:USBメモリのマウント |
それでは、USBメモリがどのようなデバイス名でOSに認識されたか以下のような手順で探してみます。
# dmesg | more ・ ・ ・ USB Mass Storage support registered. Vendor: Kingmax Model: USB2.0 FlashDisk Rev: 1.00 Type: Direct-Access ANSI SCSI revision: 02 SCSI device sda: 4034560 512-byte hdwr sectors (2066 MB) sda: Write Protect is off sda: Mode Sense: 23 00 00 00 sda: assuming drive cache: write through SCSI device sda: 4034560 512-byte hdwr sectors (2066 MB) sda: Write Protect is off sda: Mode Sense: 23 00 00 00 sda: assuming drive cache: write through sda: sda1 <- ここを見ます
無事USBメモリが認識されていることを確認できたら、次はUSBメモリのマウント先としてディレクトリを生成します。何かマウントさせる場合は慣習上/mnt配下にする場合が多いのでここでも例にならってそのようにします。
# mkdir /mnt/extdisk <- センス良い名前に付け替えても良いです # chmod go-rwx /mnt/extdisk
続いて今作成したディレクトリにUSBメモリをマウントします。
# mount /dev/sda1 /mnt/extdisk
マウントに成功したか確認します。
$ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/md0 289G 17G 258G 7% / tmpfs 1009M 0 1009M 0% /dev/shm tmpfs 256M 17M 240M 7% /tmp /dev/sda1 2.0G 0 2.0G 0% /mnt/extdisk <- ここを見ます
どうやら無事にマウントされている模様です。
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