入門者も参加しやすくなったETロボコン2013と、2012チャンピオンシップ大会レポート

2013年4月5日(金)
Think IT編集部

クラッシュ多発の激しいレース展開

各チームは2チームがそれぞれ、インコースとアウトコースに別れて走ります。1回目でインコースを走ったチームは2回目でアウトコースを走るのですが、全チームが1回目の走行を終えた後、2回目を走るため、1回目の走行後は2回目の走行に備えてプログラム修正が可能です。

午前中の試験走行を経て、お昼すぎからいよいよレースがスタートしましたが、「大会には魔物が棲む」という司会者の言葉通り、本番ではアクシデント多発となりました。それも、第1コーナーを曲がりきれずにコースアウトしてしまうチームの何と多いことか。

もちろんこれには理由があって、いかにきちんとロボットを調整してきたとしても、搭載された各センサーはとても繊細な設定を行っているため、広い会場内ではちょっとした照明の変化が影響を与えてしまうのです。取材・観戦する側もカメラのフラッシュはもちろん、赤外線ライトも発光しないように注意する必要があります。プログラムを細かく調整すればするほど些細なことでエラーが発生する可能性があるため、この辺りをきちんと把握した設計が必要になります。

そんな中、はじめて全ての攻略ポイントをクリアしたのは、富士ゼロックスアドバンストテクノロジーのチーム「AT車限定~あとす~」でした。8組目にしてようやく目にする華麗な走行に、会場から拍手が沸き上がります。

その後、全チームを通して、ベーシックコースをクリアできたのがのべ46組、全てのポイントをとってクリアできたのはたったの8組という、かなり難易度の高い大会となりました。

レース中はアクシデントも多く、コースアウトしたロボットが暴走して障害物を蹴散らす、アウトコースのロボットが一時的に隣コース上を走り、ふたたび元にコースに戻る、なんてこともありました。そのたびに会場内は笑いや悲鳴に包まれ、大会スタッフも、ロボットが壊れないよう絶え間なくキャッチに走ります。全チームが2回ずつの走行を終えるまではあっという間でした。

個性的なチームの数々

最近では、チームの中にも個性的なチームアピールをするところが増えたように思えます。パンダの格好をしたり、戦隊ヒーローになりきったりと、ロボットの外見を自由に変えられない分、自分たちが変身して大会を盛り上げていました。

チャンピオンシップを制したのは?競技の結果と総合順位発表

数ある困難を制し、見事総合優勝に輝いたのは、株式会社アドヴィックスのチーム「HELIOS」でした。

その他、受賞結果は以下のとおりです。

総合部門

順位 チーム名 参加資格 地区 所属 地域
優勝 HELIOS 企業 東海 (株)アドヴィックス 愛知県刈谷市
準優勝 Superくろしお 企業 関西 三菱電機メカトロニクスソフトウエア(株) 和歌山県和歌山市
3位 R-GRAY BLACK 企業 関西 (株)ソフトウェアコントロール西日本事業部 大阪府吹田市

競技部門

順位 チーム名 参加資格 地区 所属 地域
1位 猪名寺駅前徒歩1分 企業 関西 三菱電機マイコン機器ソフトウエア(株) 兵庫県尼崎市
2位 AT車限定 ~あとす~ 企業 南関東 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー(株) 神奈川県横浜市
3位 SOROT☆FCSK 企業 九州 株式会社 福岡CSK 福岡県福岡市

モデル部門

順位 チーム名 参加資格 地区 所属 地域
Excellent みらいまーず 企業 南関東 富士ゼロックス(株) 神奈川県横浜市
Gold Model HELIOS 企業 東海 (株)アドヴィックス 愛知県刈谷市
Silver Model 一番町プロジェクト 企業 東北 NECソフトウェア東北(株) 宮城県仙台市

TOPPERS賞

チーム名 参加資格 地区 所属 地域
Joker艮 大学 東北 東北大学大学院情報科学研究科 宮城県仙台市

IPA賞

チーム名 参加資格 地区 所属 地域
AEK RUNNER12 企業 南関東 アンリツエンジニアリング(株) 神奈川県厚木市

次回からは、チャンピオンシップの走行を完璧にクリアして競技部門を制した、三菱電機マイコン機器ソフトウエアの「猪名寺駅前徒歩1分」チームの大会参戦記をお届けする予定です。お楽しみに。

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(リンク先最終アクセス:2013.04)

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