Pandora FMSを使った具体的な監視運用設計の実装
Pandora FMS コンソール
Pandora FMSコンソールは、PHP※3で実装されたWebインタフェースである。例えば、データベースに格納されたデータの参照や監視設定など、大抵の操作はコンソールを通して行うことになる。
※3 PHP(Hypertext Preprocessorを再帰的に略したもの)は、オープンソースのスクリプト言語で、特にWebシステム開発の分野で広く用いられている。
コンソールには、ユーザーによる権限の分離といった基本的な機能のほかに、インシデント管理機能や、収集データを元に様々なグラフを作成することができるレポート機能といった機能もある。
さらに、エンタープライズ版には、ユーザーごとにカスタマイズ可能な概要ページである「ダッシュボード」や、標準のアクセスコントロール機能では設定できない、ページ単位での権限設定などが可能な「アクセスコントロール機能」、ソフトウェアエージェントの設定をコンソールから行うことができる「リモート設定機能」など、高度な機能が用意されている。
Pandora FMSデータベース
Pandora FMSでは、データベースに「MySQL」を採用している。MySQLは性能や安定性に定評があり、標準の機能で容易に冗長構成を組むことができることなどから、世界で広く利用されているオープンソースのデータベース管理システム(DBMS)である。
また、最新リリースである「Pandora FMS 4.0」では、MySQLのほかに、MySQLと双璧をなすオープンソースのDBMSである「PostgreSQL」と、世界で最も利用されている商用DBMSである「Oracle」についても、試験的ながらサポートが開始されている。将来的には、MySQL以外のデータベースも標準的に利用できるようになる予定である。
Pandora FMSエージェント
Pandora FMSにおいてエージェントといった場合、通常は監視対象のことを指すが、文脈によってはソフトウェアエージェントのことを指す場合がある。
このソフトウェアエージェントとは、Pandora FMSの監視専用に用意されたアプリケーションのことで、監視対象機器にインストールして使う。C++で書かれたWindows版とPerlで書かれたUnix版のエージェントのほか、Cで書かれた組込み向けのエージェントとAndroidプラットフォームで動作する、Pandroidと呼ばれるエージェントが用意されている。
ソフトウェアエージェントは、一定間隔で自発的に情報を収集し、監視サーバーにデータを送信するプッシュ型の監視エージェントであり、情報の収集には任意のコマンドを利用することができる。Windows版エージェントには、WMIやパフォーマンスカウンタから情報を取得する機能もついている。
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