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普及まであと数年、知っておかないとマズイ「車の自動化レベル」とは?

2016年9月9日(金)
ReadWrite Japan

遅かれ早かれ、車の主な機能があなたの手から離れていくことになることは、多くの自動車メーカーが認めるところである。しかし、我々が今日知る運転の自動化とは、登場が予測されている完全自動な車と比べてどのようなものなのだろうか?

国家交通安全協会(NHTSA)は、車の自動化レベルを非自動のものから完全自動のものまで5つに分類している。

Googleは、2020年までには現在のプロトタイプ車が完全自動車になると言っている。彼らの競合にあたるTeslaも同じように言っており、またNHTSAのレベル2をすでに達成しているとのことである。

Volvoの衝突回避技術のシニアリーダーであるトレント・ヴィクター氏は、完全自動化一歩手前と言えそうな「レベル3の自動運転は安全ではない」と述べている。というのも、運転を任せきりにしてメールやニュースをスマートフォンでチェックするのに夢中になってしまうドライバーが、車から突然通知を受けて瞬時に自力で危機を回避するというのは現実的ではないためだ。

直近Uberと手を組み新たに3億ドルの投資をおこなうと発表したVolvoは、2017年には試用テストに入るであろう無人運転車はレベル4のものになると主張する。

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という具合に、今後は車を区別するものとして「自動化レベル」が加わるのだ。ややこしいかもしれないが、このレベルをしっかり把握しておかないと命を失いかけないので、あらためて1つずつ確認していこう。

5段階の自動化レベル

レベル0-4までの各レベルの説明は以下の通りである:

Level 0:非自動化
Level 0は、自動化されていない我々がよく知る車である。ドライバーは車のすべてをコントロールしなければならない。

Level 1: 一部機能の自動化
Level 1は、一部の機能が自動化された車である。安全運転はドライバーの責任だが、運転の一部を自動化機能に委譲することができる。たとえば、クルーズコントロールや衝突回避、自動ブレーキなどがその例である。これらが複数備わっている場合、それぞれは単独で機能する。

Level 2: 複合機能による自動化
レベル1と比較し、レベル2は少なくとも2つのコントロール機能を自動で提供する。特定の状況下において、ドライバーは運転をこれらの機能に任せることはできるが、安全運転はドライバーの責任であるため、車からの突然の通知にも反応することが求められる。

Level 3: 限定的な自動運転化
このレベルの自動化では、ドライバーは特定の交通や状況下において安全上重要機能を車にすべて任せることができる。ドライバーが運転できることは必要とされるが、常に路上から目を離さないということは想定されていない。このレベルの自動運転車は、ドライバーが運転のコントロールを握らない限り、単独で動作するよう作られている。

Level 4: 完全自動運転車
運転者なしで、自動車がすべてのコントロールを握り、走行中の安全の責任を負う。ドライバーが運転できる必要はない。

これらのレベルはNHTSAが定義したものであるが、SAE Internationalなど他企業もこれらの用語の策定を模索している。彼らの定義するレベルは6段階に分かれており、0から5まで存在する。

ちなみに、東京オリンピックをひかえた日本はNHTSAの5段階定義を採用しており、内閣府の発表した研究開発計画によると、2020年には「東京の発展と高齢化社会を見据えた、わが国の次の世代に資する次世代交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)等を実用化する」としている。

車の自動化に消極的な印象のあった日本だが、あと3年でどこまで市場を成長・成熟させられるのだろうか。同時にスマートシティ化も進めなければ、後々やっかいなことになるのは間違いない。民間と政府が手を取り、同じ目的のため1つになることが必須といえるだろう。

関連記事:自動運転車開発はスマートシティ開発計画と「二人三脚で」進める必要がある?

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]

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