Vimの基本操作をマスターしよう
困ったときのヘルプ
今回はヘルプ、設定ファイル、基本操作について説明していく。
まずはヘルプについて紹介していこう。ヘルプを表示するには、ノーマルモードで「:」を入力してコマンドモードに入り、「:help」と入力する。なお、以降については基本的にコマンドモードにて操作していることを前提とする。
「:help」を入力すると、入力画面が横に分割され(分割されたそれぞれを、Vimではウインドーと呼ぶ)、ヘルプファイルが表示される。この画面が、ヘルプ画面だ。基本的な上下左右の動き方(「hjkl」)やヘルプウインドーの閉じ方(「:q」)などの操作が確認できる。
より具体的なヘルプが必要な場合は、例えば「:help j」と入力すれば「j」を入力したときの動作がわかるし、「:help :help」では「:help」自体のヘルプ、「:help :Explore」では前回紹介した簡易ファイラーについての情報が得られる。
しかし、このヘルプには大きな問題がある。そう、英語であることだ。英語が苦手な人は日本語化したいところだろう。Vimのヘルプファイルの日本語化は、Windows版のVimが配布されている「KaoriYa.net(http://www.kaoriya.net/)」で行われているので、これを利用しよう。
KaoriYa.netのWebサイトを開いたら「Vim日本語ドキュメント」というリンクをクリックし、「Vim日本語ドキュメントダウンロード(スナップショット)」からダウンロードする。解凍するとruntimeというディレクトリの中にdocとsyntaxというディレクトリがあるので、Linuxであれば$HOME/.vim/以下に、Windowsであれば$HOME/vimfiles/以下に、それぞれ移動。
次に、ヘルプファイルを認識させるため、移動したdocディレクトリに対して「:helptags $HOME/.vim/doc/」というコマンドを入力すれば、ヘルプの日本語化が完了だ。
「$HOMEとは何?」というアナタは「:echo $HOME」と入力。すると、例えば僕の場合は、Linuxだと「/home/hagi」、Windowsだと「C:\Documents and Settings\hagi」と表示される。
なお、「たまには自己研鑽のために英語で見たい」という気分になった場合などは、「:help :help@en」のように言語名を指定することで表示言語を変更できる。もしくは、「:set helplang=en」と入力すると、一時的にヘルプ言語を変更可能だ。
設定ファイルを見てみよう
続いて設定ファイルについて説明しよう。まず肝心の設定ファイルはどこにあるのか。早速覚えたヘルプを使って「:help vimrc」と入力してみよう。UNIXでは「$HOME/.vimrc」に、Windwsでは「$HOME/_vimrc」または「$VIM/_vimrc」にあることがわかる。ただし、自分で用意してなければ存在しないので見つからなければファイルを用意しよう。
ここで「:help vimrc」で参照するように書いてある「vimrc-intro」についても見てみよう。「vimrc-intro」にカーソルを置いて「Ctrl-]」だ。それによれば設定ファイルには「:」で入力できるものは何でも記述できるらしい。
では、試しに以下の設定を書いてみよう。
set number
入力したら一度Vimを終了して再起動するか、「:source $HOME/.vimrc」のようにして設定ファイルを読み込む。すると、各行の頭に行番号が表示されるはずだ。続いてこの設定を以下に変更してみよう。
set nonumber
先ほどと同じく新しい設定を有効にすると、今度は行番号が消える。このようにして設定ファイルを作っていくことができるので、適宜紹介していく。
ちなみに設定についても、「:help number」と入力すると詳しい説明が表示される。ちなみに「現在デフォルトと違う内容になってるのはどんなオプションか」を見たいときは「:set」で、「とにかくどんなオプションになってるのか」を見たいときは「:set all」を実行する。後者の場合は大量の情報が表示されるので、スペースキーやEnterキー、「hjkl」で上下に移動しながら見ていこう。
ここまでできたら、次はいよいよVimの基本操作の解説だ。