ITエンジニアのための英語表現⑥ タスクの進捗管理を行う際に使える5つの表現

2023年1月20日(金)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

ITエンジニアの皆さんは、日頃から莫大なタスクを行う必要がありますよね。それらのタスク管理を上手に行うことがプロジェクトの成功にもつながります。タスク管理を行う際に使える表現を学ぶことで、進捗管理が楽にできるようになります。

シーズン3最終回の今回は、「ITエンジニアのための英語表現」の6回目となります。「タスクの進捗管理を行う」際に使える表現を5つ紹介します。

なお、これまでの記事は、下記のリンクから読めますので、ぜひ過去に取り上げた表現も合わせてご確認ください。

 ①社内外の打ち合わせで使える5つの表現
 ②顧客との打ち合わせで使える5つの表現
 ③他のエンジニアと情報について話し合う際に使える5つの表現
 ④各機能の具体的な開発方法について話し合う際に使える5つの表現
 ⑤提案の詳細に関して社内で話し合う際に使える5つの表現

それでは、「タスクの進捗管理を行う」際に使える表現を確認していきましょう!

1. 進捗状況を報告してもらう際の表現

最初の表現は、タスクの進捗状況を参加者に報告してもらう際の表現です。

Please report the status of the tasks each of you are responsible for.
 (各担当の進捗状況を報告してください。)

これは進捗を確認する会議の冒頭で、リーダーやファシリテーターが使う表現です。空欄がないことからも分かる通り、この表現はそのまま暗記して使えるとても便利なものです。

ちなみに、この表現で使われているreportbe responsible forは覚えておくと様々な場面で使えるのでしっかりと覚えておきましょう!

reportは「報告」や「報告書」という意味を持つ名詞としても使えますし、今回のように「報告する」という動詞としても使えます。動詞として使う場合は、reportの後に、今回のthe status of the tasks(タスクの状況)とあるように、報告するものを続けましょう。

また、be responsible forは「~の責任がある」や「~を担当している」という意味になります。自分自身が何かしらの担当をしている場合には、この表現を使って伝えることができます。

それでは、いつも通り表現が会話の中でどのように使われるかを動画で確認してから、実際に声に出して練習をしてみましょう。動画の使い方も今までの表現シリーズと全く同じです。下記の3ステップに沿って行います。

  1. 表現が2回読まれるので、発音と抑揚を確認しながらリピート練習する
  2. 表現が含まれる短い会話の字幕を読み、空欄の埋め方と意味を理解する
  3. 字幕を読みながら、声に出して会話を練習する

前述したように、この表現はそのまま使えるのでとても分かり易いですよね。それでは、実際に動画の中でどのように使われていたか確認してみましょう。

Let’s start our development project meeting. Please report the status of the tasks each of you are responsible for.
 (開発の進捗会議をスタートします。各担当の進捗状況を報告してください。)

会議の冒頭の表現でしたが、Let’s start our development project meeting.と言って開発の進捗会議を始める旨を伝え、その直後に今回の表現を用いて各参加者からの報告を促していますね。いきなりPlease report…と始めてしまうと唐突に聞こえるので、まずはしっかりと会議を始めるという一言を伝えると流れが自然になります。

2. 終了した作業に関して伺う表現

2つ目の表現は、終了したテスト等の作業に関して、その結果がどうだったかを尋ねる際に使える表現です。

How was the … you carried out last week?
 (先週行った…はどうでしたか?)

How was …?は「状況」や「状態」を尋ねる際に使える大切な表現ですね。ここでは、先週行ったことに関して確認しているので、過去形のwasになっています。もし、現在も継続して行われていることについて確認するのであれば、How is …?のように現在形を使って確認しましょう。

それでは、この表現に関する動画を1つ目の表現と同じ流れで確認してみます。

次に、動画内で使われていた例を入れた表現を確認してみましょう。

How was the performance test you carried out last week?
 (先週行った性能テストはどうでしたか?)

今回確認したいことは、performance test(性能テスト)についてですね。これは先週行った「特定」のテストなので、the performance testとします。carry outは口語よりの表現で「実施する」という意味を持ちます。少し硬めな印象を与える単語であればconductも同じ意味で使うことができます。

3. 問題や懸念点について確認する表現

何らかの問題や懸念点がある場合、会議の中で確認しておく必要がありますよね。3つ目の表現は、そういった場合に使えるものです。

You told us last week that … Is everything okay?
 (…と先週言っていましたが、大丈夫ですか?)

You told us last weekとあるところからも分かる通り、この表現は自分で気付いた問題や懸念点ではなく、チームメンバーがそれを前もって報告していた場合に使える表現です。また、それについて今は解説されているか確認するために、Is everything okay?と続けています。このひと言も必ず付け足すようにしましょうね。

それでは、この表現を使った会話例の動画を確認して、どのように空欄を埋めるのか見てみましょう。また、動画を観ながら、しっかりと声に出して練習していきましょう。

動画で使われていた表現を確認します。

Mr. Jackson, you told us last week that some of your tasks were behind schedule. Is everything okay?
 (ジャクソンさん、いくつかの作業で遅延があると先週言っていましたが、大丈夫ですか?)

You told us last weekのように主語がyouとなっているので、複数のメンバーが参加している会議の場合、必ずMr. Jacksonのように「誰に話しているか」を明確にしてからこの表現を使いましょう。もちろん既にその人が話している最中に聞くのであれば、名前を言う必要はありません。

こういった点を意識することも大切なので、忘れないようにしましょう。

4. メンバーが言った内容の意味を確認する際の表現

4つ目の表現は、とても簡単ですが、汎用性もあり便利な表現です。会議内で、誰かの発言を100%正確に理解できていない可能性があると感じた場合、誤解が生じないように確認することがとても大切ですよね。そういった際に使える表現です。

Do you mean that …?
 (…ということですか?)

それでは、thatの後は何を入れると文が完成するのか、動画で確認してみましょう。

動画で使われている表現の確認です。

Do you mean that it took a longer time to respond?
 (レスポンス時間が長く掛かってしまったということですか?)

動画の例文では、Do you mean thatの後にit took a longer time to respondという「節」が続いていますね。節とは「主語」と「述語」が含まれるものです。要するに「通常の文が続いている」と思ってみれば分かりやすいと思います。

Do you mean thatの後には、確認したい内容を節で入れるだけで文が完成します。 ちなみに、meanは動詞で「意味する」という訳になるため、「~ということですか?」と聞く際に使うことができます。

5. 別の場所で進捗報告を行うよう依頼する際の表現

最後の表現です。会議ではまだ分からない内容について、別の場所で報告してほしい場合に使える表現です。

Please update us on your progress in …
 (…で進捗の共有をお願い致します。)

inの後には、続けて報告を受ける場所(定例会議等)を入れます。inで「〇〇内で」という意味になりますが、他にもatを使って表わすこともできます。よって、この表現では空欄に入れる単語や、話している人がどのように伝えたいかによってinatのどちらかを選ぶことになります。

それでは、実際に動画を観ながら、空欄の埋め方を確認してみましょう。

動画内の表現も確認します。

Please update us on your progress in our project meeting tomorrow.
 (明日の進捗会議で情報の共有をお願い致します。)

この例では、翌日も進捗会議が行われるので、その中で共有してくださいと伝えていますね。空欄に名詞(句)を入れるだけなので、比較的文は作り易いのではないしょうか。

おわりに

今回は、ITエンジニアが知っておきたい「タスクの進捗管理を行う表現」を紹介しました。皆さんが会議でタスクを確認する際に、ぜひ試していただければと思います。また、今回紹介した5つの表現も合わせて、これまでに取り上げてきた表現も積極的に使ってみてくださいね。

今回で「ITエンジニアのためのやりなおし英語 実践レッスン Season3」は最終回となります。Season 3でも長い期間お付き合いいただき、ありがとうございました。

また、Season 4で読者の皆さんにお会いできることを楽しみにしています!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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