連載 [第1回] :
  Gen AI Times

もはやエンジニアは不要になってしまうのか? 自律型コーディングAI「Devin」が登場!

2024年4月4日(木)
池田 大喜
本記事は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」に所属するメンバーが、生成AIに関するニュースを紹介&深掘りしながら、AIがもたらす「半歩先」の未来に皆さんをご案内します。

はじめに

今回から「Gen AI Times」として、生成AIに関する記事を発信させていただくことになりました。よろしくお願いします!

本記事は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」で活動している6名で運営させていただきます。注目されている生成AIに関するニュースを収集し、個性豊かなメンバーによる記事の深堀りから、半歩先の未来の想像を共有していきます。この記事を通して、ぜひ皆さまも各々の半歩先の未来を想像しながら、色々な価値観を楽しんでいただけると嬉しいです。

さて、記念すべき第1回では、「生成AIと共存する未来での働き方を想像できるツール情報」と「日本の生成AIの導入率に関する記事」を紹介します。それでは早速、楽しい未来を想像をしていきましょう!

自立型AIソフトウェアエンジニア「Devin」が発表

Cognition AIというスタートアップが「Devin」という自立型AIソフトウェアエンジニアを発表しました。これまでも、プログラムを書けるAIはいくつかありましたが、Devinはそれらのツールとは異なり、Copilot(副操縦士)として使用者のサポートの役割ではなく、AIソフトウェアエンジニアとして活躍してくれるそうです。

従来のツールでもプログラミングを助けてくれるツールはいくつかありましたが、Devinはそんなツールとは何が違うのでしょうか。

Devinはソフトウェア開発のプロセス全体を自動化する能力を持っており、プロジェクトの設計からコーディング、バグの修正に至るまで、これらのタスクを独立して完遂します。つまり、サポートではなくDevinがソフトウェアエンジニアとして、指示をもとにソフトを開発してくれるのです。

日本の生成AI導入の現状とその課題

一般財団法人日本情報経済社会推進協会と株式会社アイ・ティ・アールは、国内企業983社のIT戦略策定または情報セキュリティ施策の従事者を対象に、2024年1月に共同で実施した「企業IT利活用動向調査2024」の結果を発表しました。

業務における生成AIの使用状況【出典】JIPDEC/ITR「企業IT利活用動向調査2024」

本調査におけるポイントは、下記の2点です。レポートの詳細については、一般財団法人日本情報経済社会推進協会と株式会社アイ・ティ・アールによる調査結果を参照してください。

  • 生成AIの使用企業は35.0%、導入進行中が34.5%となり、今後急速な拡大が見込まれる
  • 生成AIの使用においては、機密情報の漏洩とハルシネーションが大きな懸念点となっている

【参照】生成AIの使用企業は35.0%、導入進行中が34.5%と今後急拡大が見込まれるランサムウェア感染被害企業は47.1%、身代金を支払った企業の3分の2が復旧できず
JIPDECとITRが『企業IT利活用動向調査2024』の結果を発表

https://www.itr.co.jp/topics/pr-20240315-1

次世代iPhoneにGeminiが搭載!?

米Appleは、Googleの生成AIサービス「Gemini」の「iPhone」への搭載に向け交渉しているそうです。対話型AI「ChatGPT」を開発した米オープンAIとも最近話し合いを持ち、同社のモデルの使用も検討しているようです。また、iPhoneは基本ソフトの一部として、独自のAIモデルに基づく新たな機能を準備している、とのこと。

これにより、iPhoneユーザーに寄り添い、私生活からより良くする手助けをしてくれるようになるかもしれません。このように、生成AIが皆さんの日常に溶け込む日もすぐそこです!

【今回の深掘り】
Devinの発表で、AIと人間の共存する社会が、より現実味を帯びて来たのではないでしょうか。ただ、「AIに仕事を奪われる!」と恐怖を感じた人もいると思います。しかし、私は違うと考えます。

確かに、Devinの登場で従来のプログラマーは不要になるかもしれません。しかし、開発したソフトウェアを評価して、実行するのが人間の使用者であることは変わりません。プログラムに無駄な処理があった場合、それに気づき最適化する指示を出すためには、使用者もプログラムについて知っておく必要があるからです。

そうなると、Devinが開発の実行部隊、現在のプログラマーがDevinの管理職のような立場で協働することになり、新しい未来の働き方になっていくでしょう。今後そういったAIと協働することになる分野は増えて、AIを「雇う」。そんな未来が近くまで来ているかもと期待しています。

しかし、日本企業の生成AIの導入の現状を知り、私は危機感を覚えました。今、世の中はVUCAの時代で変化が早く、2024年のAI進化は2023年に比べても、より早くなることが予測されます。これは、1年でも取り返せないくらいの進化を遂げることを意味します。

「AIを導入する」という表現ではなく、エキスパートとして人と同様に「AIを雇う」という表現の半歩先の未来で、人間より優秀なAIとうまく「コミュニケーション」をとるスキルが必須だと考えます。VUCAの時代についていくために、生成AIの勉強と並行して、AIと共存する世界でどのようなスキルが必要になるか、議論すると面白いと思います。

SF映画やアニメの世界にある、人とロボット(AI)の共存した半歩先の未来を楽しむ準備をしましょう!

おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今後も、生成AIに関する最新情報を紹介するとともに、その深掘りを発信していきます。次回もお楽しみに!

※本ニュースは「IKIGAI lab.」が配信しているコンテンツです。
 IKIGAI lab.はこちらをご覧ください。

自動車部品サプライヤで生成AIの社内教育などの推進活動を実施。「IKIGAI Lab」の勉強会、「生成AI-EXPO in 犬山」でセミナー登壇。

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