Red Hat Enterprise Linuxの概要
RHEL4の対応のCPU、メモリ容量について
RHEL4が稼動するハードウェアにはIntel系/AMD系の32bitCPUを搭載したいわゆるx86サーバから、ミッションクリティカル用途向けのItanium2 CPUを搭載したIA-64サーバまで幅広いアーキテクチャをサポートしています。
RHEL4ではサポートするCPU(表3)の種類によってそのサポートCPU数やメモリ容量が異なります。またCPUアーキテクチャごとにカーネルが用意されており、そのハードウェアに最適化されたカーネルを利用することが可能です。
- x86系
- AMD64/EM64T
- Itanium2
以降では、表3であげたサポートCPUとその最大論理CPU数、最大メモリ容量、カーネルがサポートするメモリ容量を説明します。
AMD64/EM64Tアーキテクチャでx86版RHEL4も稼動させることが可能です。最近のサーバはAMD64またはEM64Tアーキテクチャ のCPUを搭載しており、OSにはAMD64/EM64Tアーキテクチャ版のRHEL4を利用するのが一般的ですが、x86版を利用することもあります。 Itanium2を搭載したサーバはミッションクリティカルなシステムで利用されるのが一般的です。したがってIA-64版のRHEL4 ASが採用されることが多くなります。
エンタープライズ向けのサーバの多くは2CPU以上のSMPシステムで稼動させることが一般的です。RHELではSMPシステムをサポートしていま すが、CPUアーキテクチャごとにサポートしている最大CPU数が異なります。サポートされるメモリ容量もCPUアーキテクチャによって異なります。
以下にRHEL4でサポートされるCPU数、メモリ容量を示します。
最大論理CPU数 | 最大メモリ容量 | |
x86系 | 32個 | 64GB |
AMD64/EM64T | 8個 | 64GB |
Itanium2 | 64個 | 128GB |
- RHEL4 ASのみが物理3CPU以上のサポートとなります。
- x86において、SMPとhugememカーネルで最大論理CPU数は16となります。
- x86においては、RHEL4 ASとRHEL4 WSでメモリ8GB以上をサポートします。
- RHEL4 ESは最大16GBメモリまでサポートします。
http://www.redhat.co.jp/software/rhel/server/
RHEL4の対応のカーネルについて
RHEL3はカーネル2.4であったのに対して、RHEL4ではカーネル2.6が標準搭載されており、様々な機能拡張がはかられている上、カーネル 2.6によるスケーラビリティの大幅な改善により、エンタープライズシステムへの採用がさらに容易になってきています。RHEL4のカーネルごとにサポー トされるメモリ容量を以下に示します。
サポートされるメモリ容量 | |
1CPU用の標準カーネル(i686、Athlon) | 4GB |
SMPカーネル(i686、Athlon) | 16GB |
hugememカーネル | 64GB |
先に述べたRHELのカーネルはディストリビューションにコンパイル済みのバイナリ形式で含まれています。RHELでは、利用者がコンパイルした カーネルをインストールして利用することは、動作上できたとしてもレッドハット社のサポートが受けられなくなりますので、OS標準添付のバイナリ形式の カーネルを利用することを強く推奨します。
RHEL4の対応のファイルシステムについて
RHEL4のext3ファイルシステムの最大サイズは8TBとなっています。RHELでは一般的にext3が利用されます。RHEL3のext3で は1TBまでをサポートしていますが、RHEL4では8TBまで拡張され、さらに大規模なストレージシステムに対応できるようになっています。
以上から、RHELがサポートするCPUアーキテクチャ、メモリ容量、カーネル、ディスク容量などを参考にシステム要件に合ったサーバの種類と組み 合わせを考慮します。レッドハット社のWebサイトに掲載されている「Red Hat Enterprise Linuxの対応するシステム構成と範囲」にOSの仕様が掲載されていますので、これらの情報を元にRHELのシステム構成を検討します。
今回のキーポイント
今回のキーポイントは次のようになります。
- クライアントPC向けLinuxとサーバ向けLinuxでのシステム構築手法は大きく異なる
- Fedora Coreは先進の機能を取り入れるRHELの実験工房であり、企業システムには不向き
- エンタープライズ用途のLinuxでは、OSの安定性、サポート内容が重要である
- RHEL4 AS/ES/WS製品体系、リリース期間を知る
- RHELが対応するCPUアーキテクチャとメモリ最大容量、カーネルの種類を検討する
- 製品のサポート契約内容を理解する