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CMMI
ソフトウェアプロセスレベルを向上させるCMMI活用術 〜 ソフトウェア開発の品格

第1回:言葉が先行しているCMMI
著者:日本コンピューター・システム   新保 康夫
日本和光コンサルティング  久野 茂
   2006/04/13
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CMMIの特徴である成熟度レベル

   CMMIといえば組織の成熟度を基にプロセス改善することが有名です。ここで成熟度レベル別に必要なプロセスを表3に示します。
成熟度レベル 成熟度レベルの内容 必要なプロセス
レベル1
初期レベル
このレベルではプロセスは場当たり的で無秩序です。従ってプロセスは確立されていません。  
レベル2
管理されたレベル
このレベルでは組織はプロジェクト管理がされています。要件が管理され、かつプロセスが計画/実施/測定/制御されています。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 要件管理、プロジェクト計画策定、プロジェクトの監視と制御、供給者合意管理、測定と分析、プロセスと成果物の品質保証、構成管理
レベル3
定義されたレベル
このレベルでは、組織は標準プロセスの集合をテーラリングしたプロセスに従って管理されています。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 要件開発、技術解、成果物統合、検証、妥当性確認、組織プロセス重視、組織プロセス定義、組織トレーニング、統合プロジェクト管理、リスク管理、統合チーム編成、統合供給者管理、決定分析と解決、統合のための組織環境
レベル4
定量的に管理されたレベル
このレベルでは、組織は統計的技法およびその他の定量的技法を使用して制御されており、定量的な予測が可能です。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 組織プロセス実績、定量的プロジェクト管理
レベル5
最適化しているレベル
このレベルではプロセス実績を継続的に改善することに焦点をあてます。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 組織改革と展開、原因分析と解決

表3:成熟度レベル別に必要なプロセス

成熟度レベ
図2:成熟度レベル
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   CMMIにはSCAMPIアプレイザルという、モデルの組織成熟度やプロセス能力を評価する仕組みがあります。CMMIのアプレイザルを受けるためには、SEI公認リードアプレイザから「CMMI入門」教育を受け、SEIのデータベースに登録されたアプレイザルチーム(リードアプレイザを加えてメンバー4〜5名くらい)が必要です。そういった理由から、CMMIのレベル認定を受けるためには教育をはじめとした組織レベルで取り組みを行う必要があります。

   アプレイザルを受ける場合、事前にリードアプレイザから簡易アプレイザルを受けておくと、本番アプレイザルまでに自社の弱い点を改善することができます。

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日本コンピューター・システム株式会社  新保 康夫
著者プロフィール
日本コンピューター・システム株式会社
新保 康夫(しんぼ やすを)

本部企画室 コンサルタント、ITコーディネータ/ITCインストラクタ、システム監査技術者、ISMS主任審査員資格。
1975年 日本コンピューター・システムに入社。システム開発に従事し、プロジェクトマネージャを経て現在、コンサルタント業務に従事する。コンポーネントベース開発やアジャイル開発にも関与する。

日本和光コンサルティング(株) 久野 茂
日本和光コンサルティング(株)
久野 茂(くの しげる)

日本和光コンサルティング(株)代表取締役副社長、ITコーディネータ。日本電気(株)、(株)日本総合研究所に勤務。現在日本和光コンサルティング(株)代表取締役副社長。
1978年徳島大学工学研究科修了、1998年電気通信大学大学院IS研究科博士課程単位取得満期退学。著書に「中国オフショア開発ガイド(共著)」コンピュータエージ社、他 多数。

INDEX
第1回:言葉が先行しているCMMI
  CMMIとは
CMMIの特徴である成熟度レベル
  CMMIで目指すもの