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リッチクライアントCurlの特徴と導入実態
リッチクライアントCurlの特徴と導入実態

第1回:リッチクライアントの発展とCurl
著者:セントラル・コンピュータ・サービス  松永 俊思
2005/5/9
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高速で安定した実行

   Surge RTEはCurlアプリケーションの高速で安定した実行環境を提供しています。まず、CurlソースコードからJITコンパイラによって実行モジュールを生成します。Curlアプリケーションはサーバサイドでのコンパイルではなく、クライアント側でリアルタイムコンパイルをおこないます。また、Curlアプリケーションの使用するライブラリ群は全てSurge RTEで提供されています。これにより、最適化され、安定したライブラリを利用することができるのです。

   ガーベジコレクション機能を提供することで、メモリリソース管理の効率化をはかっています。一方アプリケーション開発において、ユーザ自身がメモリ管理をおこなえる柔軟性のある機能も提供していることを付け加えておきます。

   そして、アプリケーションにおける基本的な機能としてのセキュリティを保障することは非常に重要なことです。通常のCurlアプリケーションはクライアントのローカルリソースにアクセスする権限を与えられていません。これによって不正な動作に対するセキュリティを確保しています。しかし、ユーザの確認認証にもとづいて特定の処理の実行を認める仕組みも提供しています。


マルチメディアエンジン

   Curlアプリケーションが注目されている理由のひとつは、このマルチメディアエンジンを提供していることです。これは、Curlが単一の製品・技術で構成された統一環境を提供しているということです。つまり、テキストにはじまり、ダイナミック2D、3Dグラフィックス、アニメーション、オーディオ、ユーザ入力などが、統一された環境で提供できるのです。

   このことはマルチメディアを扱うアプリケーション開発において、非常に有効な環境といえます。なぜならば、複数の技術を組み合わせてアプリケーションシステムを構築するのと比較して、明らかに生産性・保守性の向上をもたらすことになるからです。さらに、この強力なエンジンがSurge RTEに組み込まれていることで、高速で安定した実行をサポートします。つまり、サーバからのCurlアプリケーションのダウンロードサイズの削減と、実行時の性能向上に寄与しているといえます。


ユーザインターフェイス

   現在のWebシステムの課題といえば、表現力と操作性でした。リッチクライアント製品・技術の対応すべき重要な課題はユーザインターフェイスといえます。Curlではこれまでのクライアント/サーバ型と同様のGUI環境を提供しています。強力なマルチメディアエンジンも含めると、従来以上のアプリケーションを提供できるといっても過言ではありません。Curlの提供する豊富な画像レイアウト関連オブジェクト、コントロールオブジェクトの組み合わせと、Curl言語によるダイナミックなデータ操作・画面生成が可能になります。


コネクティビティ

   Curlの通信プロトコルは、WWW標準のHTTP/HTTPSを採用しています。これはCurlソースコードのダウンロード、Curlアプリケーションからのデータの取得・格納まで全てに適用されます。Curlアプリケーションは独立したクライアントアプリケーションとして、サーバとは標準プロトコルを介した疎結合構成で実行されます。つまり、HTTP/HTTPSプロトコルでアクセスできるサーバであればCurlアプリケーションと連携することができます。またサーバとの接続が疎であるため、サーバへの依存性が少ないシステムの構築が可能になります。

   また、データ交換形式としてXMLをサポートしており、Surge RTEの提供するXMLパーサをもちいて、どのようなサーバともデータを連携しやすくなっています。さらに、本格的なWebサービスを利用可能にするため、SOAPプロトコルもサポートしています。


次回は

   今回は、Curlの全体像について紹介しました。次回からは具体的な開発と実行環境、そしてCurlの適用事例を紹介します。

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セントラル・コンピュータ・サービス株式会社
著者プロフィール
セントラル・コンピュータ・サービス株式会社  松永 俊思
メインフレーム、クライアントサーバ、Webシステムと基幹系から情報系アプリケーションシステム開発を実施。また、開発支援パッケージとして「MagicAnswer for Notes」(NotesDomino設計要素解析ツール)の製品監修を担当。2002年より営業に転じ、企業の情報システム課題に対する提案を進めている。Curlは次世代アプリケーション像として、2004年より取り扱う。問い合わせE-mail:curlsales@ccs.co.jp


INDEX
第1回:リッチクライアントの発展とCurl
  Webシステムの発展
  Curlの特徴
  Curlの開発環境
高速で安定した実行