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| コスト以外の効果も測る | ||||||||||||||||||
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前回は、ABC(Activity Based-Costing)という手法を用いて、BPRの効果をコスト面から評価した。しかしながら、実際にはコストだけで評価できない効果もあるだろう。 例えば、企画立案の会議の長さはコストに反映するが、単純に要する時間が短ければよいというわけではない。新製品や新サービスを立ち上げる時、製品化までのプロセスは短いほうが市場競争力アップを期待できるものの、必ずしも要した時間の長さ(短さ)だけでは評価できない。製品化を急ぐあまり、マーケットを見極められなかったり、製品のリコールに繋がるトラブルが多発したりするのでは元も子もないからだ。 このように企業活動はコストという視点に留まらず、多面的に効果を捉える必要がある。 コストを評価する一方で、営業/商品開発/トラブル処理に貢献する「知識:Knowledge」が注目されている。これはコストいう視点だけではなく、創造性や品質向上といった視点が重要視される。 さらに最近では、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)への関心も高まり、その活動を投資家が法令遵守/雇用問題/人権問題/消費者対応/地域社会などへの貢献といった観点から評価するSRI(Socially Responsible Investment)も拡がっている。利益追求の一辺倒では企業活動も足元をすくわれかねない。 企業活動を評価するにあたり、確かにコストはわかりやすい評価指標である。しかし、商品やサービスの顧客満足や企業の社会的責任といった観点から、コスト以外についても評価すべきとする動きが高まってきた。 そこで今回は「BSC(Balanced Scored-Card)」手法を紹介する。これはコスト以外も評価するという点から、民間企業だけでなく公共機関でも導入が進みつつある。 |
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| BSC手法とは? | ||||||||||||||||||
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BSC手法とは、1992年に米国のRobert KaplanとDavid Nortonが考案した経営管理手法の1つで、財務・コストのみならず効果を多面的に評価することができる手法である。 BSCにおいて一般化されている評価の視点には、「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と革新」の4つがある。必ずしも4つである必要はなく、3〜5つくらいを目安に戦略的目標を設定し、各々を評価する指標を用いて経営戦略を立てていく。BSCの採用目的としては、次のような項目があげられる。
表1:BSCの採用目的 情報化(IT)におけるBSC活用は、米国の電子政府プロジェクトの多くが頓挫したことから、不明瞭な情報化投資や杜撰なプロジェクト管理のあり方が問題視され、効果評価や管理のあり方が抜本的に見直されたことに端を発する。1997年、米国会計検査院(GAO)は「エグゼクティブガイド〜情報技術投資のパフォーマンス測定と成果の実証」の中で、実効的なプロジェクト管理手法としてBSCを推奨した。 今回は、BSCを情報化投資の単なる評価に留めず、BPRに結び付けてより実践的に導入した事例を紹介する。 |
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