Windows Serverの歴史は、1993年にマイクロソフトが初めての32ビットOSとして投入したWindows NT Server 3.1にさかのぼる。企業ネットワークの普及期に合わせて登場したWindows Serverは、デスクトップOSのデファクトスタンダードになったWindowsの操作性、ファイルサーバやプリントサーバなどが簡単な設定で実現できる機能性が支持され、瞬く間に普及した。
1996年に登場したWindows NT Server 4.0以降は、インターネットサーバを構築できる「IIS(Internet Information Services)」やサーバサイドコンピューティングを実現する「Terminal Service」などのサービスも追加され、適用範囲も広がった。さらにWindows 2000 Serverでは、新しいディレクトリサービス「Active Directory」やグループポリシーなどを実装したことによって、企業の情報系基幹システムのインフラとして数多く採用されるようになった。
Windows Serverが登場して丸10年の2003年に登場した最新版がWindows Server 2003である。この新しいOSでは、特に重視されたのがセキュリティ面の強化である。マイクロソフトは2002年、「Trustworthy Computing」というビジョンを発表した。これは、ライフラインのように信頼性の高いネットワーク・コンピューティング環境の実現を目的としたもので、Windows Server 2003はTrustworthy Computingを具現化するためのインフラという位置付けになっている。そのために、Windows Server 2003ではbeta3をリリースしたのち、開発をいったん中断し、ソースコードの全面的な見直しを行って、セキュリティの脆弱な部分を取り除いたという。
また、セキュリティ上問題となりうるサービスが標準で導入されないのも大きな特徴になっている。たとえば、Windows 2000 Serverの標準インストールで導入されたIISは、Windows Server 2003の既定ではインストールされない。このように、標準では無効になっているサービスは約20近くあり、利用しないサービスに対しての攻撃による被害が未然に防止されているのだ。Windows 2000 Serverでは、「Nimda」「Slammer」「Blaster」など、Windowsの脆弱性を狙ったウイルス/ワームが猛威を振るったが、Windows Server 2003では大規模なウイルス/ワームの発生は報告されていない。
アプリケーションサーバを構築する上で重要なアプリケーションの開発・実行環境が整備されているのも、Windows Server 2003の大きな特徴になっている。ベータバージョンの段階で「Windows .NET Server」と呼ばれていたことからもわかるように、Windows Server 2003は.NETプラットフォームのインフラであり、共通言語ランタイム(CLR)とクラスライブラリで構成された.NET Frameworkをあらかじめ搭載。.NET対応アプリケーションは、.NET Frameworkがインストールされている環境であればOSのバージョンを問わずに動作する。また、IIS上でダイナミックなWebアプリケーションやWebサービスを開発・構築するためのASP.NETなども実装されている。