マイクロソフトがAzure新サービスを発表、グーグルがGCPのHadoop/Spark運用サービスをベータ提供開始、ほか

2015年10月2日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

先週は、シルバーウィークということでリフレッシュされた方も多いと思いますが、先週末から曇りの日が多く、なかなか「秋晴れ」を実感することができません。また、気温の寒暖が激しいため体調管理も難しくなっています。皆さまも無理せず気をつけていきましょう。

ということで、今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

オープンソースの年次アワード「Bossies 2015」が発表、今年の新顔は?

米国IDG社傘下のオンラインメディア「InfoWorld」は9月16日、優れたオープンソースソフトウェア/プロジェクトを選ぶ「Best of Open Source Awards 2015」を発表しました。Best of Open Source AwardsはInfoWorldが毎年部門ごとに優れたオープンソース技術を選ぶ制度で、頭文字をとって「Bossies Award」と呼ばれています。選出にあたっては、InfoWorldの編集チームがOSCONなどのオープンソースのカンファレンスやイベントに参加して得た情報や「SourceForge」「GitHub」といったコードレポジトリサービスの情報などから判断しました。今年選ばれた多数のオープンソース技術の中では、「Docker」はどのイベントでも話題だったとし、「入選は必然だった」と評価しています。このほか、「RethinkDB」など新しい分野を切り開くようなものも考慮したということです。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/15/09/18/174100

マイクロソフト、「Azure Container Service」など多数の新サービスを発表―AzureCon

9月29日にオンラインで開催された「Azure Con」で、米国マイクロソフト社は新サービス「Azure Container Service」のプレビュー版を年内にテスターへ提供することを発表しました。このサービスは、「Apache Mesos」「Docker」「Azure」を統合するもので、これを実現するにあたり、同社は米国Mesosphere社および米国Docker社とパートナーシップを結んでいます。このサービスを利用すると、開発者はオープンソースのクラスタ管理サービスであるMesosや、コンテナ管理技術であるDockerを利用してアプリケーションを導入・設定することができます。本サービスの提供開始時点では、Linuxコンテナのみをサポートし、Windowsコンテナへの対応は「将来」になる予定です。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35071175

マイクロソフト、Ubuntu Linuxベース「HDInsight」の正式リリースを発表

米国マイクロソフト社は9月28日、「HDInsight on Linux」の正式リリースを発表しました。Azureを開発および運用する米国マイクロソフト社、Ubuntuの開発元である英国カノニカル社、ビッグデータの分散処理ソフトウェアHadoopの主要デベロッパーである米国ホートンワークス社の3社が密接に協力することで、Azure上のUbuntuでHDInsightを動かすことが可能になりました。米国マイクロソフト社は、一般向けの「HDInsight on Linux」はSLAで99.9%のアップタイムを保証するとともに、HadoopからベースとなるLinux OSに及ぶスタック全体に対する完全なテクニカルサポートを提供するとしています。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35071107

グーグル、Hadoop/Spark運用サービス「Cloud Dataproc」のベータ提供を開始

米国グーグル社は9月23日、同社のクラウドサービス「Google Clooud Platform」で、Hadoop/Sparkクラスタ運用サービス、「Cloud Dataproc」のベータ提供を開始しました。Cloud DataprocはHadoop/Sparkクラスタの構築/立ち上げ、拡張/縮小、停止という一連の作業を自動化するサービスで、通常ではオンプレミスあるいはIaaS事業者を通じてSparkおよびHadoopのクラスタを作成するには5~30分かかりますが、Cloud Dataprocを使用すると、それぞれのオペレーションにかかる時間を平均90秒以下にすることができます。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1509/24/news049.html

モジラ、「Firefox 41」をリリース―パーソナライズ機能や通信機能を強化

米国Mozzila財団は9月22日、オープンソースのWebブラウザ「Firefox 41」をリリースしました。Firefox 41には、Firefoxのアカウントをパーソナライズして、パスワードやブックマーク、履歴、開いたタブなどのウェブ閲覧データをデスクトップやモバイル端末の間で共有できる機能を提供するアップデートが含まれています。自分のアカウントに写真を追加することも可能になっています。

(参照記事:http://japan.cnet.com/news/service/35070885/

編集後記

年齢とともに時間の流れが早く感じるようになっています。特に今年は、夏の終わりが例年より早く来たせいで、時間も早く過ぎているように感じています。
「年齢を重ねると少しのことでは驚かなくなって、刺激を受ける回数が減少しているから時の流れが早く感じられる」という説があるようなので、日頃からアンテナを高くし、多くの刺激を受けられるようにしたいと思います。
そうすれば、秋の夜長を実感できるくらいゆっくりと時間の流れを感じられるようになるかもしれません。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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