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【楽々デブドックを書こう!】正直使う?ガイドライン

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第2回:知っていてこそのガイドライン

著者:シンクイット編集部

公開日:2008/02/18(月)

開発ドキュメントは誰のものなのか?

2月の特集「楽々デブドックを書こう!」の金曜日「開発☆ドキュン」では、開発ドキュメント作成について「誰のために作るものなのか」という点に関して、改めて解説している。もちろん、本記事で紹介している発注者ビューガイドラインも「誰のためのものか」という視点は重要だ。

発注者ビューガイドラインについては第3部の「レビュー」編が設けられているように、発注者側の視点をもったドキュメント作成を目的としている。注意しておきたいのは、ガイドラインに沿ったドキュメントであっても、それを伝える意思がなくては必要な情報は決して伝わらないということだ。

もちろんこのガイドラインを発注者側/開発者側の双方が熟読し、内容を徹底して活用すればお互いの歩み寄りは容易なはずだ。とはいえ、発注者側がガイドラインを熟読するべきか、と問われれば、それは否だ。

あくまでも「開発者側が発注者の意思を汲み取り、このように実現しようとしている」ということをドキュメントでは伝えるべきである。中でも一番伝わりにくい「画面」の部分から公開をはじめた点については、発注者ビュー検討会が開発ドキュメント作成の難しさをもっとも理解しているからであろう。

実際に、発注者ビューガイドラインではレビューのコツについて記述されていることからも、それがわかる。

図3:設計書レビューの進め方のコツ(抜粋)
図3:設計書レビューの進め方のコツ(抜粋)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

発注者ビューの現在のステータス

では発注者ビューガイドラインは今後どのように進んでいくのだろうか。

先日エンタープライズウォッチのニュース「『いまいちど顧客視点にポイント置いて』、NECがSI革新活動を強化」にて、日本電気 取締役 執行役員専務の相澤正俊氏が以下のように述べている。

「システム開発標準では、すでにNECのJava/.NETの開発に全面適用されている開発標準『SystemDirector Enterprise(SDE)』のさらなる展開を図る。すでに約250プロジェクト(PJ)での適用実績があり、効果としては10〜20%の生産性向上を実現している。今後は、発注者ビュー検討会準拠のユーザーインターフェイスなど各標準を採り入れて機能強化を図りながら、3年間で1200PJに適用を拡大していく」

日本電気は発注者ビュー検討会の一員ではあるものの、実際の事業に組み込まれようとしている段階にある。画面編以外の「システム振舞い編(仮称)」「データモデル編(仮称)」についての公開も待ち望まれるところだ。

さて、予定を変更して発注者ビューガイドラインの内容をより詳しく紹介してきた。いよいよ来週公開の第3回では現場からの生の意見をお伝えしたい。また、実際に画面編の発注者ビューをダウンロードした方からのコメントを、ページ下部の「記事評価」から募集している。いただいた内容についても、次回紹介する。 タイトルへ戻る



INDEX
第2回:知っていてこそのガイドライン
  ガイドラインは知られていてこそ効果を発揮する
  どのように「ビュー」を見える化するのか
開発ドキュメントは誰のものなのか?