なぜTeam Foundation Serverでバグ管理をするのか?
TFSは開発チームの基盤として利用するサーバ製品で、バク管理機能も備えているが、バク管理専用ではない。では、なぜTFSを使うのか。
これまでも述べたように、バグ管理にはさまざまな立場の人が関わっている。そしてそれぞれのツールを用いて、作業を行っている。それらを一元管理したい場合に、TFSが効果を発揮する。
TFSではタスクやリスクなども含めて、すべてを作業項目として管理する。作業項目はすべてSQL Serverに格納され、目的に応じて必要な情報を閲覧、更新できるインターフェースになっている。
この作業項目には専用ツールであるチームエクスプローラやVisual Studio上からアクセスが可能だ。さらにExcelやMicrosoft Projectからもアクセスできる。
また、Visual Studio Team System Web Access Power Toolを導入すれば、専用ツールがインストールされていないクライアントPCからもWebブラウザを経由して作業項目にアクセス可能である。では、実際の例を見てみよう。
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
Team Foundation Serverの多種多様なインターフェース
例えば、開発者であれば使い慣れた統合開発環境であるVisual Studio上から開発作業の延長線上でバグの登録や確認が行える。自分が担当者にアサインされているバグだけを表示するクエリを作成すれば、いつでも自分の作業リストを表示できるようになる。
バグを発見した場合も、メニューからバグの登録を選択するだけで、バグの情報やそのときの作業環境などが自動的に入力されるため、手動による作業の手間と入力ミスを最小限に防ぐことができる。
バグの情報はクエリにより目的に応じたリストとして表示できるだけではなく、現状をグラフ化することも可能だ。TFSのレポート機能を用いるとバグの収束状況を時系列で表示したり、特定のビルドにどれだけのバグの駆除がなされているかを把握したりすることもできるようになる。
開発チームがバグの情報を共有しつつ、各自にはその目的に応じた表示を行える。さらには入力支援やグラフ化なども行えるのである。バグ管理システムの1つの理想的な姿がそこには存在している。
次回はソフトウェア開発チームの中でバグとどのように付き合っていくべきかを解説していく。バグをどう取り扱うかの意思決定や、長い開発ライフサイクルの中でバグを駆除するタイミングなどを解説する。