スイッチの働きについて
今回はマルチポートブリッジとしてのスイッチがどのような働きをするのかを説明していきます。まずは、スイッチと同じ集線装置であるHUBと比較しながら、両者の違いについてより詳しく説明します。
通常のHUBの場合には、図1のようなネットワーク構成を例にとると、端末Bから送信されたパケットは、すべてのポートに送信されます。これは、端末A宛のパケットだとしても同様です。スイッチの場合には、異なるセグメントへのパケットを止めることが可能です。
また、HUBでは端末Aと端末B間で通信パケットが流れている間、関係のない他の端末は通信することができません。スイッチでは「(1)端末Aから送信された端末D宛のパケット」「(2)端末Bから送信された端末C宛のパケット」「(3)端末Cから送信された端末F宛のパケット」「(4)端末Eから送信された端末H宛のパケット」というように、それぞれのパケットを同時に送信する事が可能です。
つまりスイッチの場合、10Mスイッチであれば10Mbps、100Mスイッチであれば100Mbpsの帯域をそれぞれのポートごとに割り当てる事が可能となるのです。ただし、機能的にはブリッジなのでブロードキャストパケットは全ポートに送信されます。
ポートミラーリング
さて、スイッチはHUBと異なり、通信に関わらないポートへパケット送出を行わないため、障害時の切り分けなどで使用されるネットワークアナライザーをポートに接続しても他のポートへのパケットの流れを監視することができません。
そのため、スイッチにはポートミラーリングという機能を備えたものがあります。ミラーリングとは、対象ポートを経由するパケットをすべて同じように別のポートへコピーする機能です。また、対象ポートの選択はソフトウェアで行うことが可能なため、ネットワークアナライザーを移動する事なく必要なポートを監視する事ができます。 次のページ