UMLとは
2008年4月のThink ITの特集は「モデリング」を取り上げています。火曜日の本連載では、UMLの基本から解説してきます。今回はUMLとは何かから押さえていき、アクティビティ図について解説します。
UML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)とは、オブジェクト指向の分析設計の表記法として、米国の標準化団体OMG(Object Management Group)によって1997年に標準化されました。
現在は、JavaやC#など、ほとんどの開発環境がオブジェクト指向になっており、実質標準的な唯一の設計表記方法となっています。また、ISO標準にもなりましたので、名実共に完全なる世界標準といえます。
UMLは2005年にバージョンを2.0に上げ、大きく機能強化しました。J2EEや.NETなどのコンポーネント、SOAのサービスなどと、組み込みシステム向けにも対応しています。また、ほとんどのUMLツールはUML 2.0をサポートしています。
UMLはソフトウェアに対する要件、ソフトウェアの構造/振る舞い、実装設計などに利用でき、その目的によって13個のダイヤグラムに分かれています(図1)。
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
UMLのダイヤグラム
13のダイアグラムは、アクティビティ図、ユースケース図、オブジェクト図、クラス図、コンポーネント図、コンポジット構造図、相互作用概要図、コミュニケーション図、シーケンス図、ステートマシン図、タイミング図、パッケージ図、配置図となります(図1)。
また、それぞれが要求、静的構造、振る舞い、相互作用、実装の5つに分類されています。
各ダイヤグラムの用途は、開発方法論によって決められます。UMLでは、どのような方法論でも使えるように設計要素を用意していますので、それぞれの現場に合わせて利用することが可能です。それでは次に開発プロセスにそって説明していきましょう。 次のページ