TOPシステム開発【伝わる!モデリング】はじめようUML!> 第1回:アクティビティ図を学ぼう! (1/3)

【伝わる!モデリング】はじめようUML!

【伝わる!モデリング】はじめようUML!

第1回:アクティビティ図を学ぼう!

著者:株式会社テクノロジックアート 長瀬 嘉秀

公開日:2008/04/01(火)

UMLとは

2008年4月のThink ITの特集は「モデリング」を取り上げています。火曜日の本連載では、UMLの基本から解説してきます。今回はUMLとは何かから押さえていき、アクティビティ図について解説します。

UML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)とは、オブジェクト指向の分析設計の表記法として、米国の標準化団体OMG(Object Management Group)によって1997年に標準化されました。

現在は、JavaやC#など、ほとんどの開発環境がオブジェクト指向になっており、実質標準的な唯一の設計表記方法となっています。また、ISO標準にもなりましたので、名実共に完全なる世界標準といえます。

UMLは2005年にバージョンを2.0に上げ、大きく機能強化しました。J2EEや.NETなどのコンポーネント、SOAのサービスなどと、組み込みシステム向けにも対応しています。また、ほとんどのUMLツールはUML 2.0をサポートしています。

UMLはソフトウェアに対する要件、ソフトウェアの構造/振る舞い、実装設計などに利用でき、その目的によって13個のダイヤグラムに分かれています(図1)。

図1:UMLのダイヤグラム
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

UMLのダイヤグラム

13のダイアグラムは、アクティビティ図、ユースケース図、オブジェクト図、クラス図、コンポーネント図、コンポジット構造図、相互作用概要図、コミュニケーション図、シーケンス図、ステートマシン図、タイミング図、パッケージ図、配置図となります(図1)。

また、それぞれが要求、静的構造、振る舞い、相互作用、実装の5つに分類されています。

各ダイヤグラムの用途は、開発方法論によって決められます。UMLでは、どのような方法論でも使えるように設計要素を用意していますので、それぞれの現場に合わせて利用することが可能です。それでは次に開発プロセスにそって説明していきましょう。 次のページ




株式会社テクノロジックアート  長瀬 嘉秀
著者プロフィール
株式会社テクノロジックアート 長瀬 嘉秀
代表取締役
東京理科大学理学部応用数学科卒業。OSF(Open Software Foundation)のテクニカルコンサルタントとしてDCE関連のオープンシステムの推進を行い、OSF日本ベンダ協議会DCE技術検討委員会の主査をつとめる。現在、株式会社テクノロジックアート代表取締役。UMLによるオブジェクト指向セミナーの講師、UML関連のコンサルティングを行っている。UML Profile for EDOCの共同提案者、ISO/IECJTC1 SC32/WG2委員、電子商取引推進協議会(ECOM)XML/EDI標準化調査委員。明星大学情報学部講師。
http://www.tech-arts.co.jp/


INDEX
第1回:アクティビティ図を学ぼう!
UMLとは
  開発プロセス(開発手順)
  業務分析