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はじめて覚えるSQL Server 2005 Express Edition
第1回:SQL Server 2005 Express Editionとは
著者:
システムインテグレータ 戸坂 龍太郎
2006/3/30
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CPUの制限
MSDEは2CPUまでサポートしていたが、Express Editionでは1CPUのみのサポートになる。ただし2CPU以上のマシンもインストールできて正しく動作するが、利用されるのは常に1CPUだけとなる。そのため、クエリの並列実行のようなスレッドを複数使う機能はサポートされない。
メモリの制限
SQL Server 2005 Workgroup Editionでは利用可能な最大メモリは3GBであり、MSDEでも2GBまで利用できる。しかし、Express Editionではバッファプールとして利用可能な最大メモリは1GBに制限される。
データベースの制限
他エディションはデータベースの最大容量の上限に制約はないが、Express Editionは4GBまでしか利用できないという制約が存在する。しかしMSDEでは2GBまでしか利用できなかったので、MSDEと比べると2倍の容量を利用できるようになっている。また、この制約はデータファイルのみであり、ログファイルは特に制約は存在しない。
SQL Serverの上位エディションと同様のGUI管理ツール
Express EditionにはSQL Server XM(Express Manager)というGUIによる統合管理ツールが提供されるので、SQL Server初心者やデータベース初心者であってもコマンドを使わずに簡単にデータベースの管理することができる。他のエディションに含まれるGUIツールと異なり簡易版ではあるが、これはGUIツールが存在しなかったMSDEと比べると、大きなメリットだろう。
このように上位エディションと比較すると、機能面ではほぼ同様であるがハード面では制約が多くなった。しかし、Express Edition導入後に上位のエディションにアップグレードすることもできるので、まずは無料のExpress Editionで技術的な検証を行い、安定してから上位エディションを決定するという使い方もできるようになった。
Express Editionでデフォルトで用意されるインスタンス名「SQLExpress」を利用していると、そのインスタンスはアップグレードできないので注意する必要がある。
次にMSDEと比較した場合、ハード面での制約は若干違うが、機能面では大きく異なる。例えば、GUI管理ツールの提供、Visual Studioと統合された開発環境などは上位のSQL Server製品群と同じように使うことができる。
このほか、MSDEではMDAC(注2)を必要としていたが、Express EditionではMDACは必要なくなっていることがあげられる。
※注2:MDAC:Microsoft Data Access Components
アプリケーション・プログラムからデータベースにアクセスするために用意された、汎用的で標準的なインターフェースの総称である。
また、MSDEで利用できたOSのうちWindows 98/Me/NT4.0は動作対象から外れているため、開発環境としてはサポートされているWindows 2000(SP4以上)/XP/2003のうちいずれかのOSを用意する必要がある。
参考URL
http://www.microsoft.com/japan/sql/editions/express/sysreqs.mspx
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著者プロフィール
システムインテグレータ 戸坂 龍太郎
株式会社システムインテグレータ勤務。自社開発のパッケージをベースにしたECサイトを年に数件立ち上げている。システム面・業務面ともに多数のECサイトを構築したノウハウを次の開発にどのようにいかすかを常に考え、日々勉強中。
INDEX
第1回:SQL Server 2005 Express Editionとは
はじめに
CPUの制限
Express Editionの動作環境