RHELのユーザ管理において注意すべき点の1つとして、ユーザのグループ管理があげられます。RHELではユーザが作成されると、ユーザ名と同じ名前のグループが自動的に作成されます。このとき、標準では複数のユーザを同一のグループに所属させる設定になっていません。
あるグループに所属するユーザが、お互いのファイルを参照、書き込みできるようにするという要求がよくあります。これを実現するには、SGIDを理解する必要があります。
以下にユーザkogaとtanakaに対して、共通の補助グループを作成しておき、GUIDによって共通のグループに属したユーザでファイルの参照、書き込みができるための設定の例を紹介します。複数のユーザを同一グループに所属させるには、新たにグループをgroupaddコマンドで作成しなければなりません。
#useradd koga
#useradd tanaka
#ls -l /home
drwx------ 26 koga koga 4096 May 1 09:10 koga
drwx------ 4 tanaka tanaka 4096 Apr 22 20:31 tanaka
#mkdir /home/presales
#groupadd presales
#chgrp -R presales /home/presales
#usermod -G presales koga
#usermod -G presales tanaka
/home/presales以下は、presalesグループの所有にします。このグループに所属するユーザがお互いのファイルを参照、書き込みできるようにするには、presalesディレクトリに対してSGIDをセットします。
SGIDをセットするには、以下のようにchmodで実現します。
#chmod g+ws /home/presales
SGIDビットを立てることにより、umask値やファイル、ディレクトリの所有権を変更しないというメリットがあります。またSGIDビットとともによく利用されるものとしてスティッキービットがあります。
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