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多角的に考察する BPM再入門
第3回:回転寿司から導き出すBPMのパフォーマンス
著者:
メタジトリー 丸山 則夫
2006/7/12
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測定項目
このモデルのパフォーマンスについての計測事項は何でしょうか。ここではまず、基本の測定項目の解説からはじめます。
活動を行うと、タスク(イベント)が発生し、そのデータがパフォーマンスデータの基になります。そして回転寿司のビジネスフローからでてくる測定項目には次のものがあります。
店の全体の収支状況を測る項目
店の来客数
店の売上げ
他店との比較
店の利益
仕入額
顧客の特性をはかる項目
客が注文する寿司の数
客の支払った額
回転寿司のプロセスの状況をはかる項目
着席までのプロセス
回転する寿司からの選択
お客様が目的の寿司を探すプロセス
その他の状況をはかる項目
待っているお客様
店員の応対
表7:回転寿司のビジネスフローからでてくる測定項目
パフォーマンス計算項目
表7の項目を使い、その店のパフォーマンスをはかることができます。
数
単位期間でのお客様の数(単位期間で待っている客であり、毎日/毎月/年度の顧客数の集計)がその店の客数のパフォーマンスとなる。
また、比較可能なパフォーマンス(他と比較して良いか悪いかを判断する、「店舗の面積あたり」「従業員1人あたり」といった店の規模を基準)を置く必要がある。
金額
単位期間での売上額(毎日/毎月/年度の売上げの集計)がその店の売上げのパフォーマンスとなります。他と比較する場合は、数の時と同じように基準を設ける必要があります。
店の能力
その店の能力としてのパフォーマンス
集客能力
店はどのくらいの客を受け入れることができるかということが問題となります。静的な要素は座席数であり、動的な要素には寿司の生産能力、寿司を握る人の能力などが関わってきます。
効率化
効率を事象として捉えると、「席の空きの数もしくは比率(席が空いていることは、その店の能力が発揮していないことになる)」「お客様の寿司を探す時間(客が寿司を探す時間が長ければ、客の注文数が減ってくる)」となります。
お客様の注文数
1人あたりの売上額が増えれば、集客の労力を軽減することができます。
ベルトコンベアーに乗っている寿司の能力と単位時間あたりのピックアップ数の比率
この値が大きければ、スペース効率がよくなり、新鮮なネタが常に供給していることになります。逆にこの値が小さいと、スペースを大きくとっており、寿司が長くベルトに留まりって新鮮さが落ちているということになります。
顧客の満足度
顧客の満足していることを証明する値を探し、その値が順調かどうかをはかることを指します。
表8:パフォーマンス評価のための基礎数値(KPI)
以上のような形で、BPMによりパフォーマンスが測定できます。そこでこのような測定を経営に活用するものが先ほど説明したKPIとBSCなのです。
図3:BPMでパフォーマンスを実現するのに必要なKPIとBSC
次回の予告
次回のテーマは「システム連携」です。BPMを使ったシステム統合化やパッケージ連携についての解説をし、SOA/BPELなどを話題としてとりあげます。
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著者プロフィール
株式会社メタジトリー 代表取締役社長
日本BPM協会 理事 丸山 則夫
経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。
INDEX
第3回:回転寿司から導き出すBPMのパフォーマンス
BPMにおいてのパフォーマンス
BPMSのパフォーマンス
パフォーマンス測定用のデータベース
測定項目