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BO Interview
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— Business Objectsの製品とターゲットについて教えてください。

Sultan氏: 大きく3つの製品カテゴリがあります。まず1つ目は、コアBIです。これにはいわゆる従来からビジネスインテリジェンスツールと呼ばれていたエンタープライズレポーティングやクエリー/分析が含まれます。エンタープライズレポーティングは、データを抽出してレポートを生成するもので、BIソリューションの運用基盤といえます。抽出したデータは様々な書式やフォームへと変換できます。グラフなどのビジュアライズも容易に行えます。クエリ/分析ツールと組み合わせて、アドホックにレポートを出力したり、あらかじめ定義しておいて何度も出力することも可能です。

クエリー/分析や非定型なレポート作成は主に、企業においてアナリストの役割を担う人が何らかの回答を作成する際に使用します。また、週次や月次のレポート作成のために利用できます。作成されたレポートは全社で容易に共有することができます。これは大企業から中堅・中小企業まで、一番幅広く使われている機能です。

2つ目のカテゴリは、EIM(Enterprise Information Management)です。EIMでは、企業内で複数のデータベースに存在するデータを統合するとともに、柔軟なメタデータ管理を可能にします。さらに、データの質を高めるデータクオリティ機能によって、信頼できる確かな情報基盤を提供します。

Business Objects Americas Vice President Worldwide Marketing Juliette Sultan Business ObjectsではFirstlogic社の買収以来、このデータクオリティをデータ統合プロセスに組み入れたソリューションを提供しています。また、抽出したデータの出所などを確実に把握できるデータリネージ機能は、監査への対応など、コンプライアンスや内部統制においても有効です。EIMソリューションは、複数のシステムを有する企業において、各システムのデータを統合し、全体像を把握したいというニーズに対応します。

最後の3つ目は、EPM(Enterprise Performance Management)です。EPMは、「現在、わが社の業績はどのような状態なのか」という企業にとって最も重要かつシンプルな疑問に対する答えを提供します。売上やコスト、在庫レベルなどのKPIに基づいて各部門の業績をリアルタイムに把握・管理するとともに、それを全社レベルで分析することによって企業全体のパフォーマンスを可視化できます。EPM基盤を構築することで、企業は適切な意思決定や業務改善をはかるためのプロセス実行が可能なのです。


— 特に今伸びているのは、どの製品カテゴリでしょうか
Sultan氏: EIMとEPMのニーズが急速に拡大しています。一方、コアBIに関しては、やや成熟した感があります。もちろん成長を続けていますが、それは新規開拓というよりもむしろ、既存顧客の企業内で適用範囲が部門レベルから全社レベルに広がってきているというケースが多く見受けられます。


— 具体的なユーザ事例を教えてください


Sultan氏: では、ヨーロッパとアメリカの事例を2件紹介しましょう。どちらも、コアBI、EIM、EPMのすべてを活用して成功した事例です。

最初に紹介するのがEuro Disneyです。パリのディズニーランドでは開園当初、来場者の列が非常に長いことから、待ち時間に対する来場者の不満が問題となっていました。そこで、Business ObjectsのBIソリューションを使って、様々なデータをコントロールセンターに集約し、実際にどれくらいの待ち時間があるのか、どこに長蛇の列が存在するのかといったことの測定・分析を行いました。それによって、待ち時間の長い行列に並んでいるお客様を比較的空いているアトラクションに誘導し、レストランなどでは混雑状況に応じてスタッフを迅速に配置することが可能となりました。

Business Objects Americas Vice President Worldwide Marketing Juliette Sultan これはお客様やスタッフの効率的な移動によって、最適化を図ったということです。その結果、Euro Disneyは顧客満足度の向上に成功しました。

次にアメリカの中堅クラスの銀行の例を紹介しましょう。同行は、他の地方銀行を買収して成長を遂げてきたのですが、このような合併した2社間のデータ統合にも高い効果を発揮します。同行では、様々なデータの統合からレポーティングの統合を行い、そして最終的にはEPMによって全体の業績を一元的に管理できるようになりました。


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