TOPキーパーソンインタビュー> ログが企業サイトの価値を高める
MARS FLAG Special Interview
今活用が求められる企業サイト内検索
前のページ  1  2
ログが企業サイトの価値を高める

— 一般的な検索エンジンとサイト内検索エンジンに求められるものは異なっているのでしょうか
武井 信也氏 武井氏    実は、サイト内検索エンジンではユーザが検索窓を使って検索を行う時点で、すでにそのサイトに不満があるのです。なぜなら検索窓は、Webサイト内を探しても目的の情報が見つからずにフラストレーションがたまっている人が最後に使う機能だからです。

   こんな状況にも関わらず、ある調査データでは、従来のサイト内検索エンジンを使ったユーザのなんと12%が、検索結果が0だったという体験しているのです。これがいわゆる「がっかりの歴史」です。

   必要な情報を探そうとしているユーザは、まったく関係のないキーワードで検索するケースは少ないと思います。つまり「多分このキーワードならあるはずだ」と検索エンジン側に歩み寄ってくれた上で、検索結果0が12%もあるわけです。もし、一般の検索エンジンを使うような気持ちで検索していたら、もっとひどい結果になっているでしょう。

   これに対して我々が「MARS FINDER」で提供したのは、ドキュメントに入っていない結果をだす、という飛び技でした。これは、広報やWebサイトの担当者が、ある検索キーワードに対して別のページを紐付けする機能です。

   例えば、ログ解析ツールを使って0ヒットとなっている検索キーワードをチェックします。その中には、製品名やCMに起用したタレントなどの正式な名前を間違えて入力しているケースもあるでしょう。こういったキーワードに対して担当者が紐付けを行うことで、検索結果が0というがっかりな状態をなくし、さらに正式な名前を覚えてもらうことにつながります。もちろん名前を覚えてくれなくても、検索したページから直接商品を購入してくれることもあるでしょう。


— 検索結果やそのログが企業にとって非常に重要な情報になるわけですね
武井 信也氏 武井氏    その通りです。これまでサイト内検索は利用頻度が低く、そこで検索されたキーワードはあまり重要視されていませんでした。しかし近年のWebサイトの拡大傾向によって使う機会が増え、そのログをどうやって自社のWebサイトを良くするために活用するかという意識が高まっています。

   弊社の検索エンジンが書き出すログは、キーワードに対して検索結果が何番目に表示されたかだけでなく、何番目が押されたか、何番目が押されなかったか、までを把握することができます。

   実はこの情報はこれまで、精度が低いといわれていました。従来の文章だけの検索結果では、一度そのページを見て内容を把握する必要があったため、求める情報でなくてもクリックされるケースが多いからです。つまりクリックされていても、それが本当に正しいキーワードだったかはわからないわけです。

   しかしMARS FINDERの場合は、検索結果に絵もあわせて表示するため、必要だと認識した上でクリックされる率が非常に高くなります。このことから、ログの信憑性を確保できるとともに、そのログデータをもとに解析のフェーズに入れるので、マーケティング的な活用に結びつけることができます。

   さらに、あるページに対してユーザが何のキーワードで検索し、流入してきたかといったキーワードによる逆引きログを取得する機能もあります。この部分もマーケティング的に非常に便利に利用できるという評価を頂いています。


— 今後、検索エンジンはどのような使われ方をしていくのでしょうか
武井 信也氏 武井氏    現在、Webサイトは非常に相対的な価値が高まってきてしまっていて、ある企業では数百億円の価値があるとまでいわれています。つまり株式などの面にも重要な判断要素として認められつつあるのです。

   今弊社が取り組もうと考えているのは、内部統制や企業統治といった分野です。こういったことは、大企業の中で常に叫ばれていますし、監査法人からも非常に強く求められています。

   この流れの中で、例えば子会社やグループ企業のWebサイトに適切な情報が掲載されているか、また適切でない情報が掲載されていないかをチェックするためには検索エンジンが必須になります。何万ページ、何十万ページとある関連企業のWebサイトのすべてをチェックするのは人力では不可能です。

   こういった情報をすぐに発見し、正しく情報を提供し、発信することができる。このような検索エンジンの使い方が今後非常に重要視されていくと考えています。


— こういった点に気づけないでいると、半年後には大きな差がついているのではないでしょうか
武井氏    今回弊社のサービスを導入された3社はすべて、Webサイトに対してのサイト内検索以外にも、デザインの統一性やマーケティング、ユーザ満足度調査など、あらゆる対策が行われています。

   それも、自分たちの自己満足ではなく、対外的な機関での調査を行っています。その中にはサイト内検索の評価ももちろん含まれています。当社の製品以外でも、サイト内検索を導入し、そのメリットを考えることができた企業・事業は、Webサイトの価値を飛躍的に昇華させていくことができると思います。


— マーズフラッグの今後の展開を教えてください
武井氏    これまで行ってきたBtoCの検索ポータルのビジネスと、現在手がけているMARS FINDERを中心とした対外的な企業ページ検索のアウトソーシング事業の2本の柱で行っていきます。

   今後もその方向性を変えず、さらに事業を大きくしていきたいと考えています。

株式会社マーズフラッグ 代表取締役社長 武井 信也氏

株式会社マーズフラッグ  代表取締役社長
武井 信也氏

幼少期よりプログラミングに魅力を感じ、アセンブラを初めとして多くの言語を経験する。学生時代にはオープンソースプロジェクトやネットワークコミュニティを主催。大手イベント制作会社勤務を経て26歳で独立起業し現職。

前のページ  1  2

INDEX
Webサイトの価値をアップする企業サイト内検索エンジン「MARS FINDER」とは
  今活用が求められる企業サイト内検索
ログが企業サイトの価値を高める